NTTドコモの2016年度3Q決算は増収増益――金融・決済サービスも利益に貢献

NTTドコモは2017年1月27日、2016年度第3四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比2.5%増の3兆4696億円、営業利益は同22.9%増の8423億円と増収増益だった。営業利益には償却方法の変更や「ずっとくりこし」などによる影響が含まれており、それらを除くと7673億円になる。

通信事業については、営業収益が前年同期比512億円増の2兆8140億円、営業利益は同1278億円増の7442億円。スマートライフ事業とその他の事業を合わせたスマートライフ領域については、営業収益が同374億円増の6768億円、営業利益は同290億円増の982億円だった。

特殊要因を除いた営業利益は7673億円となる

スマートライフ領域では、特にあんしん系サポートとコンテンツサービスの利益が伸びている。このほか、dカードGOLDが200万契約を突破するなど金融・決済サービスも好調で、利益に貢献し始めているという。

第3四半期の携帯電話契約数は、前年同期比6%増の7359万契約。解約率は0.57%で、前年同期の0.59%からほぼ横ばいとなっている。その要因について、吉澤和弘社長は「総務省のタスクフォースでスマートフォンの販売方法について見直しの議論があり、キャリア間の行き来が沈静化していることが一つの理由としてあるのではないか」と指摘した。

2016年はMVNOのほかワイモバイルなど大手キャリアのサブブランドの好調ぶりが注目を集めた。これに対し、フィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換えるユーザーを対象とした「はじめてスマホ割キャンペーン」などドコモ内でスマホに移行するための施策を打っており、「1年間を通じて(ワイモバイルなどの)影響は横ばいだった」(吉澤社長)という。なお、ドコモがサブブランドを始める可能性については、「これまでも申し上げてきた通り、そのつもりはない」ときっぱり語った。

ドコモでは今後の取り組みとして、IoT(Internet of Things)に適したLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク・ソリューションを展開する。今春からLoRa、続いて夏からはCat.MやNB-IoTといったセルラーIoTを順次提供する。

今春からLPWAネットワーク・ソリューションを順次提供する

5G(5世代移動通信方式)については、投資を抑えつつ増大するトラフィックに対応することに加えて、「高速・大容量」「低遅延」「多数の端末との同時接続」という3つの特徴を活かし、4K/8Kストリーミングなど新たなサービスをパートナーとともに創出していく。

5Gでは4K/8Kストリーミングなどの新サービス創出を目指す

すでに東武グループやALSOK、JDI(ジャパンディスプレイ)、凸版印刷と連携しているが、さらにパートナー企業を拡大する。また、今年5月以降、東京臨海副都心地区と東京スカイツリータウン周辺に、5Gを活用した新サービスの体験環境の構築も予定している。

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