導入ガイド

いざ実践!LPWA

3つの代表的LPWAの違いを理解する【SIGFOX、LoRa、NB-IoT】

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2017.01.23

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LoRaWAN基地局(IoT/M2M展の
エイビットブース)

安くて省電力で広域をカバーできるIoT向け無線のLPWA。では、代表的なLPWA規格であるSIGFOX、LoRaWAN、NB-IoTの違いはどこにあるのか。3つの特徴を見極めるとともに、先行例からLPWAを使いこなすコツを学ぶ。

 

2017年から、待望のIoT向け無線ネットワーク「LPWA(Low Power Wide Area)」が、いよいよ日本でも使えるようになる。

LPWAは低消費電力で広いエリアをカバーできる無線ネットワークだ。センサーなどの小さいデータを扱うIoT用途で、大きな需要が見込まれている。

サービス展開の先陣を切るのは、仏シグフォックスが世界24カ国で展開する「SIGFOX」だ。日本での独占事業権を得た京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が2017年2月から東京23区を皮切りにサービスを開始する。

もう1つは、2017年に本格展開の兆しがある「LoRaWAN」。ソフトバンクが2017年度内にLoRaWANを活用したIoTソリューションの提供を開始すると発表しているほか、NTT西日本やソラコム、M2Bコミュニケーションズなども積極的に実証実験を進めている。

これらにやや遅れて商用化されるのが「NB-IoT」だ。LTEベースのIoT向けネットワークで、今年6月に3GPPで標準規格が固まったばかり。日本では2016年10月から総務省・情報通信審議会で導入に向けた議論が始まっており、2018年春の商用化が期待されている。
通信手段の“空き地”にフィット「従来の通信手段でカバーできていなかった“空き地”にフィットするサービスをSIGFOXが展開した」。LPWAが注目を集めるようになった端緒について、海外の通信事情に詳しい情報通信総合研究所(以下情総研)上席主任研究員の岸田重行氏はこう説明する。

低消費電力の無線ネットワークの定番には、BluetoothやZigBeeなどがある。だが、これらの電波は遠くまで飛ばず、1つの基地局でカバーできるエリアは狭い。田畑や農場のように、km単位のエリアを全体的にカバーするには多数の中継器を設置する必要があり、広いエリアでの利用には適していなかった。

他方、広域をカバーできる無線ネットワークとして3G/LTEがあるが、1回線あたり月々数百円の通信料金がかかる。大量のデバイスがネットワークにつながるIoTではコストが大きく膨れ上がってしまう。また、消費電力が大きくいことも課題だ。

そうしたなか、登場したLPWA。通信速度は100bps~数十kbpsであり、3G/LTEと比較すると3桁も4桁も遅いが、圧倒的な低コストで省電力かつ広いエリアをカバーできる(図表1)。この特性から、IoT向けの無線ネットワークとしてLPWAに期待が集まっている。

 


図表1 IoTを実現する無線方式
図表1 IoTを実現する無線方式

 

岸田氏は、「日本は海外と比較すると、やや“空き地”は少ないが、SIGFOXとLoRaWAN、NB-IoTを軸に普及が進んでいく可能性は十分にある」と述べる(図表2)。


図表2 日本で導入済み、導入が見込まれる主なLPWA規格[画像をクリックで拡大]
図表2 日本で導入済み、導入が見込まれる主なLPWA規格

 

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