企業ネットワーク最前線

「クラウド乱立」時代へ、F5の新戦略とは?

文◎坪田弘樹(編集部) 2017.01.20

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ロードバランサ/ADC市場でシェアトップのF5がクラウド向け製品を拡販するため新たな取り組みを始めている。クラウド構築・運用支援に長けた新たなパートナーを開拓し、販売チャネル網の再構築を進めるのが狙いだ。

 

F5ネットワークスジャパン(以下、F5)は昨年に「F5クラウドパートナープログラム」を立ち上げている。

目的は、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure等のパブリッククラウドを利用するユーザーへのF5製品の拡販だ。業務アプリケーションをパブリッククラウドに移行しようとする企業に対し、その環境構築や運用支援を手がける「クラウドインテグレータ」(CIer)と協業して「F5 BIG-IP」の仮想アプライアンス版(Virtual Edition。以下「VE」)を売り込む。

BIG-IPはロードバランサ/ADC(アプリケーションデリバリコントローラ)機能によって業務アプリの可用性を向上させられることに加えて、DDos攻撃対策やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)等のセキュリティ機能も合わせて提供できる。VEをIaaS/PaaS環境に導入することで、オンプレミス環境と同様のセキュリティ・可用性が実現できる点を売りに、新たな顧客を開拓する方針だ。

CIerとWin-Winの関係にF5は10月からスタートしている新事業年度(FY17)で、「当社として初めて、パブリッククラウドを事業戦略のフォーカスエリアに加えた」と営業企画・ビジネスディベロップメントマネージャの帆士敏博氏は話す。クラウドパートナープログラムはこの戦略を推進する基盤となる。

スタート時点での手応えは十分のようだ。新プログラムの開始時に協業を発表したのは、ISAO、クラスメソッド、サーバーワークス、FIXERの4社。いずれもAWSおよびAzureの環境構築で豊富な実績を持っている。

 

F5ネットワークスジャパン
F5ネットワークスジャパンで営業企画・ビジネスディベロップメントマネージャを務める帆士敏博氏(左)と、パートナー営業本部・本部長代理の大塚順一氏

 

帆士氏によれば4社とも「直接の付き合いはこれまでほとんどなかった」という。F5の事業はこれまでオンプレミス環境向けの販売が大半であったためだが、「CIerもF5製品を使うことで、パブリッククラウドの環境でもオンプレミスと同等のセキュリティ・可用性を提供できるようになる。顧客企業のコアなシステムをクラウドに移行しやすくなり、Win-Winの関係が作れる」と同氏は話す。

2017年末までに20社との協業締結を目指してさらなるパートナーの開拓を続け、60件の案件獲得を目標に掲げている。

また、パートナーの1社であるISAOは、VEを使ってWAFの機能をクラウド型で提供する独自のサービスも展開している。BIG-IPの既存ユーザーは、こうしたサービスを利用することで、Office 365などのSaaSを使う際にも既存環境と同じ仕組みで管理できるようになる。パートナー営業本部・本部長代理の大塚順一氏は「インテグレータだけでなくクラウド事業者との協業にもチャレンジして、こうした形態のビジネスも伸ばしていきたい」と話す。

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