キーパーソンが語る

LoRaWANが「最有力」なワケ――LoRa創設メンバーの仏アクティリティが日本進出

聞き手◎土谷宜弘(月刊テレコミュニケーション発行人) 2017.01.12

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LoRaアライアンスの創設メンバーで、LPWA業界のリーダーの1社である仏Actility(アクティリティ)。日本での活動も開始した同社バイスプレジデントのボリス・デズィー氏と日本代表の松原崇氏に、LoRaWANの特徴や海外での実績、他のLPWA技術と比較した優位性などを聞いた。


――アクティリティの事業について教えてください。


松原 我々はLoRaアライアンスの創設メンバーの1社です。顧客のIoTビジネスを加速し、より付加価値の高いビジネスを行うための提案をしています。

LoRaWANネットワークサーバーで培ってきた世界的な実績をもとに、KPN、スイスコム、ベルギーのプロキスマス、コムキャストといった企業のビジネスをサポートしています。そのような経験を活かし、上位のアプリケーションサーバーに効率的なインタフェースを提供することやIoTデバイスの事前テストの推進、テスト済みデバイスの世界への販路の提供まで、幅広く顧客のビジネスを加速させる取り組みを行っています。

――日本ではどのようなビジネスを展開する予定ですか。


松原 日本はこれまで、LoRaWANの導入において欧州に遅れを取ってきました。しかし2016年に入りソフトバンク、NTT西日本、ソラコムとM2Bなどが積極的にトライアルを行い、商用化に向けて大きく動き出しています。

アクティリティとしては、こうした事業者のIoTサービスを推進すると同時に、一般企業でのIoTへの取り組みをトータルでサポートしたいと考えています。

 

アクティリティ
アクティリティ バイスプレジデント グローバルセールスのボリス・デズィー氏(左)とアクティリティ 日本代表の松原崇氏

 

――日本でもLPWAへの期待が非常に高まっています。

デズィー LPWAには、LoRaWANのほかにもSIGFOX、今後が見込まれているNB-IoT、カテゴリーM1などがあります。その中でもLoRaWANが最有力だと私たちは考えています。

そのポイントの1つは、屋内と屋外、それぞれの環境に適した方法で通信できるテクノロジーだからです。外ではアンテナ基地局、インドアではピコセルといわれる小さなアンテナで通信を確保します。

またLPWAですので当然のことながら低消費電力で電波は遠くまで届きますし、用途に応じたサービス開発にも適しています。

SIGFOXとの大きな違いは、パブリックとプライベートの両方のシステムで利用できる点です。日本には現在、国内全土に広くLoRaWANをパブリックサービスとして提供しようとしてる通信事業者は現れていませんが、海外ではそのような動きも活発です。

――Wi-Fiのように自由にネットワークを導入できる柔軟なビジネスであるという点でSIGFOXとは異なる。

デズィー はい。SIGFOXの場合は、SIGFOXのネットワークを構築・運用するSNO(SIGFOX Network Operator)が1国1社の原則でサービス提供します。それに対してLoRaWANは、オープンスタンダードの無線通信技術をベースに約400社が参加するLoRaアライアンスがビジネスを推進します。

もう1つ、「トラッキング」も強みです。キラーアプリといってもよいでしょう。

――トラッキングとは、具体的にどういうものですか。

デズィー LoRaWANでは、GPSを利用しなくても位置情報が取れます。エンドにあるデバイスが信号を発信すると、複数の基地局はナノセカンド単位でタイムスタンプを打ちます。そして、三角測量的に伝達速度と距離で端末の位置を計算します。

これは、「TDOA」(Time Difference of Arrival)という技術で、LoRaWANのサービスとして提供できます。

貨物トラッキング、鉄道レールの監視、駅舎のエレベーター管理、貨物の管理など多様なサービスで使えますし、年単位でバッテリーが持つのも特徴です。

既存のGSMなどではコストが高く、実現するのが難しかったサービスが、LoRaWANではどんどん生み出されるのではないかと思っています。

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