キーパーソンが語る

新生ACCESSの“成長戦略”を兼子社長に聞く――「主力のブラウザ事業がIoTで再起。ネットワーク仮想化も柱に」

聞き手◎太田智晴(編集部) 2016.12.27

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ACCESS 代表取締役社長
兼子孝夫氏

携帯電話向けブラウザで2000年代に急成長を遂げながらスマートフォン普及後の事業転換、新規ビジネス開拓が遅れ2014年度には赤字に転落したACCESS。そうしたなか、再建を託されたのが兼子孝夫社長だ。「17年は新たな成長を始める年にしたい」と語る同氏に、成長戦略を聞いた。

 

――2015年4月に社長に就任されましたが、その経緯を教えてください。

兼子 経営の立て直し役を任されました。それまでACCESSとの縁はなかったのですが、社外取締役である宮内義彦氏(オリックス シニアチェアマン)と、当時社外取締役であった新浪剛史氏(元ローソン取締役社長及び会長、現サントリーホールディングス代表取締役社長)から依頼されたのがきっかけです。

当社の業績は売上が300億円超の09年をピークに下降し、私が就任する直前の15年1月期には、売上高は75億円まで落ちていました。営業損は10億円、純損失が25億円という状況でした。

ACCESSは、1998年にNTTドコモのiモードに携帯電話用ブラウザ「NetFront Browser」が採用されたことで急成長した会社です。07年に時価総額は4600億円と最高額を記録しましたが、まさにその絶頂期にアップルがiPhoneを発表しました。

そこから携帯電話市場の競争原理が激変するわけですが、スマートフォンが急速に普及するなか、当社の携帯電話向けブラウザの収入は急速に減少しました。11年1月期に約85億円あったライセンス収入は、昨期(16年1月期)1割ほどになりました。

就任2年目で黒字体質へ――社長就任後これまで、どのような取り組みを行ってきたのですか。

兼子 この1年半の最大の眼目は、営業利益を黒字にすること。黒字体質に転換し、次の成長戦略を進める土台を作ることでした。

具体的には、販管費と言われる管理部門や営業部門のコストを落とし、それから仕損、いわゆるトラブルプロジェクトを徹底的に見直しました。

その結果、営業損は16年1月期に1億1400万円に縮小しており、今期(17年1月期)は1億5000万円の黒字を目標にしています。

――前職、富士通ビー・エス・シーの社長(04年6月~11年6月)を務められたときも経営の立て直しに成功していますが、経営再建の秘訣は何だとお考えですか。

兼子 赤字会社というのは、やはり無駄なカネをたくさん使っているものです。そのコストを落とすだけで随分変わります。

ACCESSの体制も、売上減少に合わせて規模の縮小に取り組んできましたが、それでもまだ無駄がありました。幕張と水道橋に分散していたオフィスの統合や、管理部門の退職者を補充せず人数を減らしたり、営業の一部を開発部門に移すといったかたちで適正化しました。

もう1つの問題はトラブルプロジェクトです。

これがあると資源がみな後ろ向きになり、新しい仕事をやる余裕がなくなります。トラブルプロジェクト自体のロスと同時に、新しいビジネスチャンスも失っているわけで、これを無くすことは二重の効果があります。

昨年度はひたすらトラブルプロジェクトの整理に努めました。随分といろいろ止めさせて、伸びる可能性のある分野に資源を集中させました。

この1年半で贅肉が削げて筋肉質になりました。来年度は新規事業で売上を伸ばすフェーズに入ります。

――今期で黒字化を果たして、来年は売上増に本格的に取り組むと。

兼子 今期の売上高の計画は71億円で、前期の68億3700万円より売上を伸ばす計画です。来期からは新しい収益を作って“攻め”に転じます。

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著者プロフィール

兼子孝夫(かねこ・たかお)氏

1971年3月早稲田大学政治経済学部政経学科卒業、同年4月富士通入社。90年12月同社システム本部第5システム統括部自治体システム部長、97年6月同社システム本部情報出版システム統括部長、2001年6月同社システム本部主席部長、02年6月富士通テクノシステム代表取締役社長、04年6月富士通ビー・エス・シー代表取締役社長。15年3月ACCESS顧問、同年4月代表取締役社長に就任、現在に至る

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