ICT×未来

LTE/5Gでドローン向け「航空管制」――ノキアが開発進める空の交通安全システム

文◎坪田弘樹(編集部) 2016.11.17

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

モバイルネットワークで“空の交通安全”を守る――。ノキアはLTE、5G(第5世代移動通信システム)をベースに「UTM」と呼ばれるドローン用の航空管制システムの開発を進めている。

 

無人航空機(Unmanned Aircraft Systems:UAS)、いわゆる「ドローン」用の航空交通管制システムを構築しようとする動きが活発化している。

「UAS Traffic Management(UTM)」と呼ばれるこの管制システムは、ドローンの操縦者に対して飛行許可を与えたり、ドローンと無線通信でコミュニケーションを行いながら、飛行禁止空域に入ろうとするドローンを制止したりすることで安全な運航を支援するものだ。ヘリコプター等の他の航空機の交通管制とも連携して“空の交通安全”を守る。

米航空宇宙局(NASA)が2015年にテストを開始し、20年までに本格稼働を計画しているほか、日本政府も18年にドローンの運航管制システムを導入する方針を明らかにするなど、世界各国でUTM構築の取り組みが進んでいる。

目指すはUTMの世界標準UTMの基本的な役割は、政府や規制当局が定めたルールに従って、飛行許可空域とノンフライゾーン(非飛行空域)を設定することと、飛行中のドローンをモニタリングし、操縦者に対して指示・許可を与えることだ。個々のドローンに対してユニークなIDを付与し、それをオーナー(操縦者)に割り当てることで、飛行中のドローンの所属を特定する。

ドローンの現在位置と飛行状況は無線通信によって常時監視し、飛行許可空域とノンフライゾーンが変化するのに合わせて、UTMが操縦者へリアルタイムに情報を提供する。例えば、災害や事故が発生した場合には、救難者保護に向かうヘリコプターの運航を邪魔しないよう飛行許可空域を変更し、救難ヘリの航路周辺のドローンを制止したり、緊急着陸させるといった指示を行う。

このドローンや操縦者との間の通信にLTE/5Gのモバイルネットワークを使用するUTMの構築を進めているのがノキアだ。16年7月に設立された非営利団体「Global UTM Association」にボードメンバーとして参画。UTMシステム構築のほか、欧州委員会への標準化提案も行っている。

Global UTM Associationは多彩なメンバーで構成されており、コンシューマ向けドローンで世界シェアNo.1の中国DJIや、クラウド型のドローン操作マネジメントシステムを提供する米Skyward、スイスの規制当局FOCA、航空交通管理サービス大手の英NATS、北京航空航天大学等が名を連ねる。目的は“世界標準”のUTMプラットフォームの実現だ。

既存の航空管制管理と同様、ドローンについても、複数のベンダーがUTMを開発・提供し、ドローンを運用する事業者や各国の規制当局など様々なレベルでUTMが運用されることが想定される。ノキアのバビアルツ・セバスチャン氏は「ある国の規制に合わせたUTMを作るのではなく、どのような規制に対しても適用できる“標準的な”UTMのプラットフォームを作ることが我々の目的」と話す。

ノキア モバイルネットワーク ソリューションプログラムマネージャー バビアルツ・セバスチャン氏
ノキア モバイルネットワーク ソリューションプログラムマネージャー バビアルツ・セバスチャン氏
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

yamaha1708
macnica1708
nokia1708

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5G時代の新ビジネス創出戦略
<Part 1>5G革命の本質とは? - 主戦場は「リアル」で「シリアス」な領域へ
<Part 2>5Gで超現実の感動体験 - ポストスマホ時代のビジネスチャンス
<Part 3>人手不足も5Gが救う - AI・4K・5Gが三種の神器に

● [インタビュー]OKI 常務 坪井正志氏「“IoTのOKI”実現の準備は整った」 ●LPWA「ローラ」ネットワークの選び方 ●データセンターインターコネクト(DCI)最新動向 ● 新LPWA規格「Weightless-P」が日本上陸

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
WS変革Day2017 A

スペシャルトピックス

ヤマトの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」で様々な付加価値!

RADIUS内蔵APとの連携で無線/有線LANの両方でデジタル証明書認証

LPWAネットワークを自ら構築するなら、世界で豊富な実績を誇るキャリアグレードのActilityだ。

業界最高レベルのキャリア/サービスプロバイダ向けルータが登場する。

無線プロトコルスタック「SkWAN」搭載のLPWA基地局なら、1台で最大6400台のエンドデバイスを接続できる!

IBM Watsonが最適な活用方法や脅威対策を提供! 先進のPC/スマホ一元管理を実現する「IBM MaaS360」とは?

「企業向けソーシャルプラットフォーム」で働き方そのものも変える!

ペタバイトクラスも「大きなバケツ」で一括管理できる!

中堅・中小企業を支援する宝情報がUTMのサポートサービスを開始する。

教育現場への無線LAN導入を成功させるための3つのポイントとは?

スマートデバイスを標的にした未知の不正アプリにも対応できる。

設計から製造までセキュアなプロセスで、他のAndroidにはない安全性。

Webサイトの利便性とセキュリティ向上を同時に実現できる最適解とは?

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション5月号
ms
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます