【ワイヤレスジャパン】リニアテクノロジー×タイムマシーン、業界初!冷凍ケースの温湿度をワイヤレス監視

ワイヤレスジャパン2016のリニアテクノロジーのブースには、「切れない無線。」で知られるダスト・ネットワークスの採用事例が5つ展示されている。そのなかでも目立っているのは、業務用冷凍・冷蔵庫では初めてだという、ワイヤレスネットワークを活用した温湿度監視サービスだ。

ダスト・ネットワークスとは、リニアテクノロジーが2011年に買収した米Dust Networksによる、独自のワイヤレスネットワーク技術だ。メッシュトポロジー(IEEE802.15.4e)で通信の安定性を確保することに加え、低消費電力であることが特徴として挙げられる。

ITサービスやコンサルを提供するタイムマシーンは、このダスト・ネットワークスを採用し、サンデン・リテールシステムとともに温湿度を管理するクラウドサービス「e-mesh moderno」を開発した。e-mesh modernoでは、業務用の冷凍庫や冷蔵庫にセンサーを取り付け、各センサーの温湿度データをダスト・ネットワークスで「ベースステーション」に集め、そのデータを3G/LTE回線でクラウドへ送信する。

クラウドに蓄積されたデータは、分析/統計レポートとしてPC、タブレット、スマートフォンなどから閲覧できる。食品工場・倉庫や店舗での利用を想定しており、食品の衛生管理手法であるHACCP対応を支援するという。

コンビニエンスストアのようなところでの利用を想定した、「e-mesh moderno」のシステムイメージ図。冷凍庫や冷蔵庫のほか、商品棚などに設置した温湿度センサーのデータは、左中央にある「ベースステーション」経由でクラウドに送信する

ブースの説明員によれば、「これまでも有線ネットワークやPHSを利用して、温湿度を監視する仕組みはあった。しかしコストが高くついてしまうこともあり、あまり普及しなかった」。一方、ダスト・ネットワークスを利用して現場でいったんデータを集約し、そこから3G/LTE経由でデータをクラウドに上げるシステムであれば、通信にまつわるコストは抑えらえる。

また、食品を扱う現場では、水でジャブジャブと冷凍庫・冷蔵庫などを洗うことから、温湿度を監視するための機器が壊れてしまう懸念があった。だがe-mesh modernoであれば、ワイヤレスのため配線が不要だ。さらに、冷凍庫内に設置するセンサーはIP68を取得しており、水がかかっても壊れる心配はない。

実際にブースに設置されている冷凍ケースをe-mesh modernoで監視している。赤い枠の中にある白いものが温湿度センサー、黄色い枠の黒いものがベースステーション

冷凍庫内に設置した温湿度センサーのほか、リニアテクノロジーのブース受付付近などに設置した温湿度計のデータが、ほぼリアルタイムで表示されているモニター画面

なお、タイムマシーンは、サンデンとともに提供するe-mesh modernoのほかにも、トラックなどの移動体向け温湿度監視サービス「ACALA MOBILE」や、薬剤や食品の温湿度管理サービス「ACALA MESH」などをダスト・ネットワークスで提供している。ワインセラーやシガーバーなどでも、これらの温湿度管理サービスが利用されているという。

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