ネットワンシステムズが2010年事業戦略を発表、“脱NIerへの道”着々

ネットワークインテグレーター大手のネットワンシステムズは2010年8月2日、2010年度の事業戦略説明会を開催した。代表取締役社長の吉野孝行氏が09年度の事業を総括するとともに、中長期的な市場展望と2010年度の注力分野などについて述べた。

代表取締役社長の吉野孝行氏

同社は09年度の事業戦略として、「ネットワーク事業の差別化」「サービス事業の拡充」「ユニファイドコミュニケーション事業の促進」「データセンター・仮想化事業の促進」の4点を掲げ、特にクラウド関連ビジネスの拡大に注力してきた。吉野社長はその成果として、ブロケード コミュニケーションズ システムズとの戦略的業務提携(9月)や、クラウドサービス市場の創出に向けた業界団体「クラウド・ビジネス・アライアンス(CBA)」の設立(10月)をはじめとする数々のトピックスを挙げた。

09年度の実績について特に強調したのは、クラウド事業拡大に向けて注力している「プラットフォーム事業」の売上増だ。ネットワンシステムズでは、「サーバ・ストレージ等を仮想化し、セキュリティ技術を付与したICTプラットフォームの構築、並びにユニファイドコミュニケーションによるお客様の生産性向上の事業」をプラットフォーム事業として位置付け、ここへの注力の結果、プラットフォーム商品群の売上高が前年度比42.8%増加し、約100億円となった。また、これに関連する具体的な案件についても示し(下図)、従来のネットワークインテグレーターの枠に留まらない、データセンター・仮想化案件での実績を強調した。

2009年度の主な実績(クリックして拡大)

また、ユニファイドコミュニケーション事業については、大手製造業で大型案件が進行中であることも紹介した。端末数3万台を超えるというその規模だけでなく、「UC端末をマネージドサービスとともに提供し、月単位のサービス料をいただく形で進めている。イニシャルコストが抑えられ、UCを導入しやすくなる」という形態もユニークだ。徐々に導入範囲を拡大し、端末数は最大で7万台にも及ぶ予定という。

2010年度の事業戦略については、引き続きクラウド関連事業の成長を核とする。吉野社長は、09年度と同様の4点をテーマに掲げ、昨年度急成長したプラットフォーム事業について「年間30%超の成長を続けていきたい」とした。

2010年度のテーマは、「One Team One Destiny」。合わせて「義」も掲げる(クリックして拡大) 引き続き、プラットフォーム事業の成長に注力する(クリックして拡大)

具体的な取り組みとしては、データセンター・仮想化事業に関して、米SeaMicro(シーマイクロ)社のサーバー製品「SM10000」を2010年7月から販売開始。また、吉野社長はデータセンター向けの次世代アーキテクチャの提供にも取り組む考えも示した。シスコシステムズとEMC、ヴイエムウェアの3社はが共同で展開するVirtual Computing Environment(VCE)連合を引き、「日本におけるVCEをやりたい」とも語った。

ユニファイドコミュニケーション関連では、iPadに代表されるタブレット端末の業務活用を有望視しており、ワークスタイル変革提案に活用していく方針だ。新たなデバイスを活用しながら、「単にシステムとしてではなく、セキュリティを担保したネットワークを統合して提供していきたい」という。

iPadをはじめとするタブレットの業務活用にも取り組む。セキュリティを担保したネットワークとクラウドサービスなどを統合して提供する(クリックして拡大)

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