新製品&新サービス

2.4Tbpsの高速通信を1万km超で実現――米インフィネラが新光通信モジュール

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2016.03.22

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

テラビットクラスの高速通信を1万km超の長距離で実現。さらに大幅な省電力化も可能にするという、新時代の光通信モジュールを米インフィネラが開発した。通信事業者の競争力強化に大きく貢献する可能性もありそうだ。

 

光伝送装置ベンダーの米インフィネラ(Infinera)は2016年3月21日、光スーパーチャネル技術により、最大2.4Tbpsの容量で1万2000kmの長距離伝送性能を実現できる光サブシステム(光通信モジュール)「Infinite Capacity Engine」を発表した。

2001年に創業したインフィネラは光通信に必要な受発光素子や変調器、増幅器などのデバイスをワンチップ化した光集積回路(PIC)の開発に他社に先駆けて成功。2004年秋からPICを用いた光伝送装置を唯一展開している。現行のPICでは5㎜四方のInP(リン化インジウム)基盤に数百のデバイスが組み込まれており、500Gbpsの光通信への対応が可能だ。

Infinite Capacity Engineは、この500Gbps対応PICの後継となる「第4世代PIC」と、同社が自社開発したPIC用ASIC/DSPおよび制御ソフトからなる「FlexCoherentプロセッサ」を組み合わせたチップセットである。

インフィネラ・ジャパンでカントリー・マネージャを務める秋元正義氏は、「Infinite Capacity Engineという名前は、無限の容量に対応できる、無限の可能性持つエンジンといった意味で名付けられたもの。これを搭載した製品群を今年末ぐらいから市場投入することを計画している」と明かす。

 

秋元正義氏 金親義一氏
インフィネラ・ジャパン カントリー・マネージャの秋元正義氏(左)とダイレクター システムエンジニアリングの金親義一氏


Infinite Capacity Engineの大きな特徴の1つが、冒頭で記した大容量・長距離通信性能だ。

スーパーチャネルは複数の波長をまとめて1つの信号として取り扱う高速光通信技術だが、このスーパーチャネルを用いた他社製品は、主に200/400Gbpsの通信速度で400km程度の通信を行うメトロネットワーク向けとして展開されているという。

これに対し、現行PICを用いたインフィネラの光伝送装置は、500Gbpsの通信速度で大陸間海底ケーブル通信に対応できる1万kmの伝送が可能。Infinite Capacity Engineではこれが最大2.4Tbps、1万2000kmに拡大される。

 

スーパーチャンネル技術を用いた他社の光伝送装置との比較
スーパーチャンネル技術を用いた他社の光伝送装置との比較


こうした性能は、高度な信号制御技術の導入やPICのデバイスの精度の高さによって実現しているそうで、秋元氏はさらに「7.2Tbpsに対応するための技術開発も進めている」と話す。また、Infinite Capacity Engineでは、変調方式やボーレートを柔軟に変更し通信環境・用途に応じた多様な通信速度に対応することや、L1レベルで超低遅延の暗号化を行うことも可能だという。

Infinite Capacity Engineのもう1つの大きな特徴といえるのが、省電力性能の高さだ。同等性能の競合製品に比べ、82%少なくて済むという。

インフィネラ・ジャパンのシステムエンジニアリング担当ダイレクターの金親義一氏は、「急増するデータトラフィックへの対応を、コストを抑えて実現することが通信事業者にとって大きな課題となっている。特に設置スペースや既存の電源設備で対応しきれないといった点が問題になるケースが多い。Infinite Capacity Engine搭載製品はこれらの課題を解決し、通信事業者の競争力向上を図る有効な手段になる」とする。

加えて金親氏がInfinite Capacity Engine搭載製品の大きな利点と紹介するのが、SDNと組み合わせられることだ。これにより、ユーザーに100G単位でオンデマンドによる帯域提供を行うといったサービスの提供も可能になり、「新たな収益の創造につながる」という。

 

SDNを活用した柔軟な帯域サービスのイメージ
SDNを活用した柔軟な帯域サービスのイメージ


インフィネラは日本でも10年前から事業を展開しており、NTTコミュニケーションズやソフトバンクなど大手を中心に約10社の通信事業者で同社の製品は使われている。データセンター間接続向け製品は日本インターネットエクスチェンジ (JPIX)にも採用された。

秋元氏は「通信事業者向け製品はボード単位で増設できる。このため、Infinite Capacity Engine搭載製品についても、既存設備の増強などで早期に導入が進むのではないか」と期待をかけている。

スペシャルトピックスPR

yamaha1708
macnica1708
nokia1708

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】セルラーLPWAでGO!
●LTE-MとNB-IoTの違い/●世界のセルラーLPWA商用展開マップ/●注目セルラーLPWA事例 ほか

◆[インタビュー]NTTドコモ 執行役員 大野友義氏「対話型AIであらゆる生活を革新」 ◆LTEコードレス「sXGP」- 自営PHSから自営LTEへ ◆OTTも参戦!海底ケーブル市場の今 ◆ネットワーク監視ツール ◆働き方改革で拡大する法人スマデバ

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

パブリッククラウドの普及で、設計・構築・運用法が大きく変わった!

待望の後継機が遂に登場!電話番号の最大登録数は2倍に向上。

ソフトバンクのMDMは、管理者の運用負荷を軽減しながらセキュアな利用を可能にする。

働き方改革はICTツールの導入・活用から取り組むのが有効だ。

大量のアラートをさばくのに忙殺される、旧態依然の運用と決別しよう。

NECのソリューションなら、多様なモバイルワークをセキュアに実現!

「WhatsUp Goldならコスト半減も可能」。イプスイッチの関口氏はこう自信を見せる。

4~6人程度の会議に最適なロジクールのビデオ会議「MeetUp」とは?

ヤマハ独自の音声処理技術が、臨場感あふれる会議を実現する。

注目が集まるCASBのメリットを活かすには、運用負荷を軽減する仕掛けが不可欠だ!

ヤマトの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」で様々な付加価値!

RADIUS内蔵APとの連携で無線/有線LANの両方でデジタル証明書認証

LPWAネットワークを自ら構築するなら、世界で豊富な実績を誇るキャリアグレードのActilityだ。

業界最高レベルのキャリア/サービスプロバイダ向けルータが登場する。

無線プロトコルスタック「SkWAN」搭載のLPWA基地局なら、1台で最大6400台のエンドデバイスを接続できる!

IBM Watsonが最適な活用方法や脅威対策を提供! 先進のPC/スマホ一元管理を実現する「IBM MaaS360」とは?

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション
ws2017
iot15
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます