【長野銀行】タブレットで顧客情報をセキュアに外出先へ持ち出し!

数ある業界の中でも、最も厳格なセキュリティが求められる金融業界。そうしたなか、タブレットを活用し、外出先でも顧客情報を閲覧可能にしているのが長野銀行だ。営業事務の効率化や提案力の向上などが目的だが、一体どんなセキュリティ対策を施しているのだろうか。

「銀行との取引情報は、個人情報の塊です」。長野銀行 営業統括部 推進担当部長の小出和幸氏が言う通り、金融情報は最もセンシティブな個人情報の1つだ。万が一にも漏えいや紛失は許されない。

当然その取り扱いには細心の注意が必要となるが、長野銀行ではタブレットを活用し、営業係が外出先で顧客の取引情報を閲覧できるようにしている。顧客に最適な提案をするためだ。

モバイルによる業務改善とセキュリティの厳格化――。この2つはしばしば二律背反するテーマと捉えられるが、長野銀行は見事この壁を乗り越えた。

長野銀行
(左から)総合企画部 企画課長 兼 リスク管理課長 ブランド推進室担当の田中啓介氏、本店営業部 係長の赤澤典明氏、営業統括部 推進担当部長の小出和幸氏、営業統括部 推進担当の酒井雪子氏

タブレットで業務プロセスの効率化と預かり物管理の厳格化を目指す長野県松本市に本店を構える長野銀行。県内54店舗・東京1店舗を展開し、地域の企業および個人客向けに金融サービスを提供している。預金残高は1兆円超の長野県を代表する銀行だ。

長野銀行では、2013年4月にスタートした「第9次長期経営計画」をもとに経営を進めているが、この中で掲げられた主要戦略の1つが「業務プロセスの効率化・ローコストオペレーションの推進」である。

ITを活用して業務プロセスをいかに改革するか――。営業統括部でも、営業係の業務プロセス効率化に向けた取り組みを始めるが、そのなかで注目したのが「昨今いろいろな企業でビジネスツールとして普及し始めたタブレットでした」と小出氏は話す。

タブレットを導入している他行へ視察に赴くなど、研究・調査を進めながら、具体的な要件を詰めていった長野銀行。まずは次の機能をタブレットで実現することにした。

1つは、営業支援システムとの連携だ。同行では、以前から営業支援システムを活用しているが、従来は行内のパソコンからしか利用できなかった。これをタブレットからも利用可能にすることで、業務の効率化などを図ろうと考えた。

もう1つは、預かり証の印刷・管理機能である。銀行の営業係は、業務上、現金や通帳といった重要物を顧客から預かる。その際、顧客には預かり証を発行するが、従来は営業員が手書きしており、管理面で課題があったという。しかし、タブレットを活用してシステム化すれば、管理を厳格化できる。

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