キーパーソンが語る

野村総研・桑津氏が説く「IoT時代の通信キャリアの在り方」

聞き手◎土谷宜弘(月刊テレコミュニケーション編集長) 2015.12.24

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国内市場の成熟化を受けて、通信キャリア3社は新たな道を開拓しようとしている。野村総合研究所 主席コンサルタント ICT・メディア産業コンサルティング部長の桑津浩太郎氏に、IoT時代の通信キャリアの在り方を聞いた。


――スマートフォン/クラウド時代を迎え、通信業界は大きく変わっていますが、とりわけ通信キャリアの在り方がガラリと変わっているように思います。通信業界のこの構造変化というものをどのように分析していますか。

桑津 何よりも日本の通信業界の風向きが変わったことが大きいと思います。

第1に、携帯電話の普及がすでに上限に達したことで、国内市場が急成長するというシナリオが描きにくくなっています。そこで他の業界と同様、通信キャリアも新たなマーケットを求めて海外市場を開拓しようとグローバル事業を強化しています。

第2に、市場の成熟化とは、裏を返せば「コモディティ化」です。最近の携帯電話のCMを見ればわかるように、機能やサービスで通信キャリアごとに大きな違いはなくなっており、通信業界はコモディティ化していると言えます。

では、価格で競い合うかというと、電波帯は限られていて新規参入がほとんどないので、過激な競争を展開する必要がありません。ある程度余裕を持ったプレイヤー同士が争う場合には、必然的にCMの打ち合いという形になります。これは日本に限ったことではなく、世界的な傾向です。

そして第3に、NFV(Network Functions Virtualization)の登場です。従来の通信機器は、国ごとに仕様が決められていました。しかし、サービスがコモディティ化している以上、末端のインフラに入っている通信機器もコモディティ化しなければ、コストと売上の稼働が見合わなくなってしまいます。海外でも「コモディティのビジネスに合わせて、コスト構造を変えていかなければならない」という議論が堂々となされています。

そして第4がフロンティア(新分野)への取り組みです。グローバル事業の他に、ソフトバンクが手掛けているIoTやロボット、人工知能(AI)などが挙げられます。
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著者プロフィール

桑津浩太郎(くわづ・こうたろう)氏

1986年野村総合研究所入社、情報通信コンサルティング部配属。システム計画部、関西支社等を経て、2004年情報通信コンサルティング部部長(現ICTメディア産業コンサルティング部)主席コンサルタント。専門は情報通信、ソリューション分野における事業戦略、マーケティング戦略支援

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