「音声認識+ウェアラブル」でワークスタイルを変える――アドバンスト・メディア

音声認識ソリューション「AmiVoice」を開発・提供するアドバンスト・メディアは2015年8月27日、AmiVoiceの音声認識機能をハンズフリーで利用するためのウェアラブルマイク端末「AmiVoice Front WT01(以下、WT01)」およびIP電話サービス「AmiVoice IP-Phone(以下、(IP-Phone)」を9月15日から販売開始すると発表した。


9月15日に発売するウェアラブル端末「AmiVoice Front WT01」

WT01は、音声認識の精度を高めるために、ノイズの多い場所でもクリアな音声を集音できるよう設計されたウェアラブル端末だ。スマートフォン等とBluetoothで接続して利用する。下写真のように、スマートフォンで直接取り込む場合と比べてノイズの少ない音声が取れるため、騒音・雑音が多い環境でも音声認識が使えるようになる。また、背面にスピーカーを備えており、表面のボタン操作で通話や音声認識機能のON/OFF操作が可能なため、首から下げるなどしてハンズフリーでの通話も可能だ。


スマートフォンの内蔵マイクとWT01での集音結果の比較。
WT01の場合、ノイズを除去して音声が拾えていることがわかる

一方のAmiVoice IP-Phoneは、IP電話による通話(1対1通話、グループ通話)と、最大300名への一斉同報が可能なインカムの機能を提供するクラウドサービス。WT01と組み合わせて使うことで、ハンズフリーで通話や一斉同報が可能になるほか、クラウド上の音声認識サーバーと連携して、テキスト化した音声データを多様な用途で活用できるようになる。例えば、A氏に電話したい場合、WT01のボタンを押して「Aさん」と話すと、その声をトリガーにA氏に電話発信するといった具合だ。また、ショップ店頭で在庫を調べたい場合に、「○○(商品番号)の在庫」と話すと、在庫管理システムのDBを参照して「○○在庫は4個」といったように結果を音声で読み上げて返してくれるといったソリューションが可能になる。


取締役・事業本部長の堤満氏(左)とクラウド事業部長の坂口毅雄氏

アドバンスト・メディアは、このWT01とIP-Phoneを使って、騒音・雑音が多い店頭や現場作業で音声認識を活用できるソリューションを提供する。取締役・事業本部長の堤満氏は、「WT01と音声認識を活用するアプリケーションを組み合わせて、フロントヤードのワークスタイルを変えていきたい」と意気込みを述べた。

同社はこれまで、音声認識技術を活用したソリューションとして、議事録作成システムや電子カルテ向け音声入力、コールセンター向けシステムなどを提供してきたが、これらはいずれも静かな環境で良質な音声が集音できるバックヤード業務や、電話回線から直接音声を録音できるケースに限られていた。WT01を利用することで、騒音・雑音が多い店頭や作業現場などでもその技術を活用できるようになる。さらに、PCやスマートデバイスを操作しなくてもハンズフリーで通話や業務が行えるようになるという利点もあり、忙しい店頭業務や、手袋をしているためにスマートフォンのタッチ操作ができない作業現場でも、声によって業務を効率化するアプリケーションが活用できるようになる。


WT01とIP-Phoneを使った業務効率化の例

WT01の価格は3万3000円。クラウドサービスとして提供されるIP-Phoneの料金は、月額基本料金が1社当たり2万円と、1ユーザー当たり800円。100名で利用する場合、WT01の端末費が330万円で、月額料金は10万円となる。販売についてクラウド事業部長の坂口毅雄氏は、「各種の業界に強い販売パートナー、SIerと組んでユーザーを開拓していきたい」と話した。今後3年間で累計10万人のユーザー獲得が目標という。

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