「今まで通りはダメ!」、UC時代のPBXリプレースについて考えよう

PBX更改を機に、Microsofft Lync(現・Skype for Business)などのUCを導入する動きが本格化してきた。ただ、国内の企業の場合、従来のPBXの機能を求める声も強い。そこでニーズが高いのがLyncとPBXの連携ソリューション。また、PBXメーカーも、UC機能の強化に注力している。

「今までと同じ電話の置き換えでは経営層は納得しない」「単純なPBXリプレースでは稟議が通らない」――。

PBX/ビジネスホンのリプレースにあたり、ユニファイドコミュニケーション(UC)の導入を検討する企業が以前にも増して増えている。

チャット(IM)やSNS、ビデオ会議等がビジネスの場でも一般的に利用されるようになり、また、それらのツールを場所を問わず使えるスマートデバイスも普及した。PBXのリプレース期を迎えた企業の多くが、そうしたツール・デ
バイスと連携するUCの導入を当然のように検討するようになってきているのだ。

一方、PBX/ビジネスホンとは別に、IM/プレゼンス、グループウェア、ビデオ会議等を利用してきたユーザーも、それらが業務に浸透するにつれて電話システムとの統合を検討するようになってきた。

この動きが顕著なのが、クラウド型コラボレーションサービスを利用する企業だ。日本マイクロソフトの「Office 365」やグーグルの「Google Apps」でコミュニケーション/コラボレーション環境を構築した企業が、電話システムの統合を検討し始めている。

都築電気でUC提案に携わるネットワークアドバイサー部・担当副部長の草場英史氏は、「Office 365でLync Onlineを使っているお客様から、外線電話もつなぎたいという要望をいただく」と話す。Lync Onlineは外線電話・PBX機能を除くMicrosoft Lync(現・Skype for Business)の機能(IM /プレゼンスやWeb会議、VoIP内線通話等)をクラウド型で利用できるものだ。そのユーザー企業は、既存のPBX電話とLync Onlineを併用することになるが「使い分けは実際にやってみると不便。オンプレミス型のLyncに移行し、PBXと連携するケースも出てきている」という。

「電話は後回し」の弊害

このようなPBXからUCへの移行ニーズは今後ますます強まると考えられる。

PBX/ビジネスホンからUCへの移行は、メーカーなどの供給サイドの想定通りには進んでいなかったが、これは、電話システムとIM/プレゼンス等のその他のツールが、扱うための知識・技術も、所管する部門(総務部門と情報システム部門)も耐用年数も異なることが主な要因だ。

そのため、電話システムの統合が後回しになるケースが多かったが、コミュニケーションツールとデバイスが多様化し、複数のシステムが併存すると、その弊害も目立ってくる。

社外とのコミュニケーションにおいて外線電話・PBXが果たす役割は大きく、IM/プレゼンスやグループウェア、ビデオ会議といった社内コミュニケーションの効率化を主眼としたツールだけを統合しても、UCの効果は限定的にならざるを得ない。連携しない状態での併用も、社員には負担となり利便性を損ねる。また、複数のシステムが併存すれば、社員ID・番号管理をはじめとする運用負荷も増大する。

月刊テレコミュニケーション2015年6月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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