企業ネットワーク最前線

【ピーエス三菱】なぜ経営層はクラウド型PBXとiPhoneの全社導入に“ゴーサイン”を出したのか?

文◎百瀬崇(ライター) 2014.10.21

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プレストレストコンクリート工法という独自技術を強みとし、土木工事や建築工事などを請け負うピーエス三菱。全社員にiPhoneを貸与するとともに、全国10拠点すべてのPBXをクラウド化し、業務効率を向上。さらに6年間で600万円のコスト削減やBCP対策の強化も実現した。

きっかけは東日本大震災だった――。ピーエス三菱は全国に10拠点を持つ。その1つである仙台市の東北支店では東日本大震災の後、PBXの故障が何度も発生。その都度、業者を呼んで修理していたが、「新しいPBXを購入したい」という声が東京本社の情報システム部に届くようになった。

また、ピーエス三菱では従来、PHSと無線LANにも対応し、内線端末にもなるKDDIの法人向けケータイ「E05SH」を利用していたが、経年劣化でマイクが壊れるなどのトラブルが起こるようになっていた。だが、E05SHの販売中止はすでに決まっており、新たなモバイル端末の導入も懸案事項となっていた。

こうした課題を抱えていたある日のこと、ネットワーク全般を任せているKDDIの営業担当者からクラウド型PBX「KDDI 仮想PBXサービス」の紹介を受ける。

「しかし、クラウド型PBXを導入する企業はまだ多くありませんでした。そのため、その話を聞いたとき、戸惑ったのは事実です」。ピーエス三菱 管理本部 情報システム部 部長の佐藤覚氏はこう打ち明ける。

 

ピーエス三菱
(左から)情報システム部 主任の丹羽謙太郎氏、総務人事部 総務グループの笠真一郎氏、情報システム部 グループリーダーの吉川充洋氏、情報システム部 部長の佐藤覚氏

 

クラウド型PBXが課題解決の切り札に

だが、その戸惑いは長く続かなかった。ピーエス三菱はKDDI 仮想PBXサービスの導入に前向きな姿勢を示すようになる。なぜなら検討の結果、KDDI 仮想PBXサービスを導入することで、管理部門の業務負荷が軽減されるだけでなく、経費削減とBCP対策にもなることがわかったからだ。

ピーエス三菱では以前、大阪支店を移転する際にPBXを一緒に移設したが、業者に頼んで行ったところ、それなりの費用がかかった経験がある。

「人事異動などでオフィスのレイアウト替えをするときも、PBX業者に頼む必要がありました。本社オフィスでは毎月2~3回は業者を呼んでいます。しかも、業者との契約を行ったのが前任者だったりすると、どういう内容の契約なのかがわからず、管理上の問題となることもありました」と管理本部 総務人事部 総務グループの笠真一郎氏は話す。

KDDI 仮想PBXサービスの導入は、こうした課題を一気に解決する手段になり得るものだった。

そして情報システム部と総務グループは、KDDI 仮想PBXサービスをグループ全体で導入する方向で動き出す。本社およびグループ会社の経営者に、KDDI 仮想PBXサービス導入のメリットを説明して回った。「グループ全体の電話網がガラッと変わるので、最初は相当苦労するかもしれないということも正直に話しました」と佐藤氏は言う。

経営層の返事は「Go!」だった。ゴーサインを得られた最大の決め手は、BCP対策の強化につながるためだ。クラウド上のPBXを利用すれば、拠点が万一災害に見舞われても、電話システムが完全にダウンすることはない。東日本大震災を経験したことで、経営層は災害対策の重要性を身に染みて感じていたのだ。

なお、KDDI以外にもクラウド型PBXを提供する通信事業者はあるが、「KDDIのネットワークが優れているだけでなく、それまで受けてきたサービスにも満足していたため、他社のサービスと比較することなくKDDIのクラウド型PBXを選択しました」(佐藤氏)という。

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