【ワイヤレスジャパン】NTTドコモ山田社長が「スマートイノベーションへの挑戦」をテーマに講演

NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は、「世界のモバイル動向とドコモの取り組み~スマートイノベーションの挑戦~」をテーマに講演した。

NTTドコモの山田隆持社長

スマートイノベーションのスマートとは、「国や地域、世代を超えて人々が豊かに生活できるような社会の実現」という意味であり、そうした社会の実現に寄与するためのサービス、ネットワーク、端末における取り組みが紹介された。

サービスでは、放送分野との融合サービスとして、「携帯端末向けマルチメディア放送」について言及した。アナログテレビの停波により2011年7月以降、空き地となる周波数帯でサービス開始を予定しており、KDDIと米クアルコムの「メディアフロージャパン企画」と、ドコモやフジテレビが出資する「マルチメディア放送(mmbi)」の2社のうち1社に免許が付与されることになっている。

山田社長によると、マルチメディア放送に必要な条件は「充実したコンテンツ」「利用しやすい料金水準」「対応携帯端末の早期普及拡大」の3点だという。ドコモの動画サービス「BeeTV」は開始から1年余りで会員数が120万を超えた。山田社長は好調の要因を「優れたコンテンツと300円という料金設定にある」と述べ、利用しやすい料金設定が鍵であり、そのためにはインフラの出費をいかに少なく抑えるかが重要との認識を示した。

mmbiでは、東京・墨田区に建設中の「東京スカイツリー」を放送用アンテナとすることで、東京から栃木や群馬までを含む1600万世帯をカバーする計画。放送出力を地上デジタル放送の約10倍ほど大きくすることで、宅内の視聴環境も向上するという。対応端末については、ドコモとソフトバンクから提供される予定で、開始後5年で5000万台が普及するとの見通しを示した。

ネットワークにおける取り組みでは、今年12月に開始を予定しているLTEが紹介された。LTEは下り最大37.5Mbps、一部屋内施設では最大75Mbpsの高速通信が可能になる。早期の普及を目指し、ドコモでは当初2014年度までの5年間で3400億円を設備投資する計画を3年間で3000億円に前倒しする。このうち2010年度はLTEに350億円を投資する。開始時点ではまずデータ通信端末を提供し、音声端末については2011年度からとなる予定だ。

LTEの特徴は「高速」「大容量」「低遅延」であること。このうち低遅延を活かし、従来は端末側で行ってきた処理をネットワーク側で実現することで、AR(拡張現実感)や自動音声翻訳など高速かつ高度な処理を端末上で実行しているようなサービスが可能になるという。

端末については、スマートフォンを今年の冬モデルで7機種投入する。スマートフォンに注目が集まっているが、「iモード端末もブラッシュアップさせる」考えで、そのための施策として、Androidスマートフォン向けに提供している「ドコモマーケット」のiモード版を今年11月に開始する計画も明らかにされた。

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