【母の日の売上が3倍に!】創業300年の和菓子チェーンが手にしたiPad&Google Apps効果とは?

蛸屋菓子店は、北関東を中心に106店舗を持つ和菓子チェーン。従来、固定電話と社内郵便で本社-店舗間の連絡を行っており、情報共有に課題を抱えていた。しかしiPad miniとGoogle Appsの導入により、コミュニケーションの円滑化に成功。今年の母の日シーズンの売上は、対前年比3倍にも増加したという。

1698(元禄11)年に創業し、300年以上の歴史を持つ蛸屋菓子店。栃木県と群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県に合計106店舗を構え、北関東で売上ナンバーワンを誇る和菓子チェーンだ。

蛸屋菓子店の本社屋。創業は1698(元禄11)年という老舗中の老舗だ
蛸屋菓子店の本社屋。創業は1698(元禄11)年という老舗中の老舗だ

2009年以前、同社のコミュニケーション手段は、本社と店舗間を1日1~3回往復する社内郵便と固定電話だけだった。このため大きな課題を感じていたという。

課題の1つは伝達頻度の少なさだ。本社から店舗に送りたい資料や、その反対に店舗から本社へ送りたい資料がある場合も、基本的には1日1~3回の社内郵便を利用するしかなく、スピーディに情報共有を行うことができなかった。

特に困っていたのが、催事用のディスプレイ方法を本社から各店舗に伝達する際だ。ディスプレイ方法をビジュアルで伝える写真を撮影し、その写真を社内郵便で送っていたが、各店舗に届くのは翌日以降。迅速には伝達できなかった。

また、ディスプレイ方法について詳しく説明したい際にも課題があった。

「固定電話での説明では上手く伝わらない場合は、販売部のスタッフが店舗を回ってレクチャーするしか手段がありませんでした。販売部のスタッフが手分けして数日がかりで対応したこともあり、売上を伸ばすという販売部本来の仕事に集中できないことも少なくなかったのです」と蛸屋菓子店 販売部係長の高松諭氏は振り返る。

蛸屋菓子店 販売部係長 高松諭氏 蛸屋菓子店 販売部 熊谷義博氏
蛸屋菓子店 販売部係長 高松諭氏 蛸屋菓子店 販売部主任 熊谷義博氏

さらには、店舗の固定電話にかかってくる電話が、顧客からの電話なのか、あるいは社内からの電話なのかが判別できないため、「店舗スタッフが接客に集中できない」という問題もあった。

こうした課題を解決するために導入したのがフィーチャーフォンだった。店舗に1台ずつ配布したことで、固定電話への電話は顧客から、フィーチャーフォンへの電話は社内からと判別可能になり、店舗スタッフは以前より接客に集中できるようになったという。

だが、フィーチャーフォンでは、伝達スピードは大きく向上させられない。そこで、検討を始めたのがタブレット端末の導入である。

なお、蛸屋菓子店は店舗にPCを導入していない。和菓子店の主要顧客である中高年の方に安心感を与えるため、店舗スタッフはすべて女性となっており、平均年齢は40歳くらい。「一般的に中高年の女性は、日常生活でPCに触れる機会が少なく、PCを使うことに敷居の高さを感じてしまう」(高松氏)ことが、PCを導入していない理由だ。

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