【ワイヤレスジャパン】LTE-Advancedを支える最新アンテナ技術を日本電業工作が展示

モバイル通信が高速大容量化していくうえで、重要な役割を担う要素の1つにアンテナがある。アンテナ性能によってモバイルネットワークの性能は大きく変わるが、移動体通信用の基地局アンテナ市場で国内シェア1位(2012年、MCA調べ)を誇るのが日本電業工作だ。ワイヤレスジャパンの同社ブースでは、最新のアンテナ技術を見ることができる。

日本電業工作の移動体通信向け最新アンテナ
日本電業工作の移動体通信向け最新アンテナ

まず、上写真の左手に見えるのがVSAアンテナだ。これは、3.5GHz帯LTE-Advanced向けのアンテナである。VSAとは、Vertically Split Antennaの略。1本のアンテナを上下2つのグループに分割し、さらに偏波技術というものを用いることでアンテナ4本相当の伝送速度を実現できるのが特徴だ。NTTドコモは昨年11月、アンテナ1本で1.2Gbpsを超える屋外走行伝送実験に成功しているが、それに貢献した。

続いて右手にあるのは、アクティブアンテナシステム(AAS)。こちらもドコモが今年2月に成功を発表したアクティブアンテナの屋外実験で使われたものだ。従来型の基地局はアンテナと無線機を同軸ケーブルで接続しており、このため電気的損失が多く発生していた。一方、アクティブアンテナは、アンテナと無線機が一体化することで電気的損失を軽減。効率的に電波を送受信できることから、基地局のカバーエリアが約1.7倍に拡大するという。

また、一体化は小型化にも貢献する。上写真の真ん中に見える小型のスーツケースくらいの大きさの白い箱はスモールセル用のAASで、これでおよそ1kmをカバーできるそうだ。

日本電業工作の長距離無線LANシステム
日本電業工作の長距離無線LANシステム。低消費電力で、太陽光パネルで自律稼働できるのも大きな特徴だ

このほか、日本電業工作のブースでは、同社のアンテナ技術を活かした長距離無線LANシステムなどが展示されていた。

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