「NFVの普及はSDNより早い」、ブロケードが仮想ルーターVyattaをアピール

NFV(Network Funcitons Virtualization:ネットワーク機能の仮想化)への注目は高まるばかりだが、ルーター機能をソフトウェアで仮想的に提供するのが、ブロケード コミュニケーションズ システムズの「Vyatta vRouter」だ。同社は会見を開き、NFVの今後やVyattaの現状などについて説明した。

x86サーバー上で稼働する仮想ルーターである「Vyatta vRouter」。ブロケード コミュニケーションズ システムズは、その開発元であるVyatta社を2012年に買収し同社のポートフォリオに加えたが、2014年3月19日、Vyattaを中心としたソフトウェア・ネットワーキング戦略に関する説明会を行った。

Vyatta vRouterの製品ラインナップ
Vyatta vRouterの製品ラインナップ

最近は、「NFV」というキーワードで語られることも多い、ソフトウェア・ネットワーキングあるいは仮想ネットワークアプライアンスの世界。また、ソフトウェア・ネットワーキングという言葉から、SDNを連想する人も多いだろうが、Vyatta社の元CEOで、現在はブロケードでソフトウェア・ネットワーキング・ビジネス担当のバイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーを務めるケリー・ハレル氏は次のように述べた。

「SDNとNFVはそれぞれ異なるコンセプトだが、補完的な関係にある。SDNがネットワークを操作するものなのに対して、NFVは操作される側だ。一緒に使わなくてもいいし、一緒に使ってもいいが、中期的にはSDNとNFVの共用が進み、同じコンセプトへと収斂していくだろう」

SDNとNFVそれぞれのコンセプトと関係
SDNとNFVそれぞれのコンセプトと関係

ただ、どちらのほうが早期に導入が進むかといえば、NFVだという。

「SDNは新しいテクノロジーをベースにしており、まだまだ成熟が必要だ。一方、NFVは、仮想ルーターや仮想ファイアウォール、仮想ロードバランサーなど、すでに提供されているテクノロジーであり、SDNに先行して非常に早く展開されていくだろう」

課題であるパフォーマンスについても、マルチコア化による高性能化の進展により、x86サーバー上でパケットを高速に処理できるようになっているという。

サーバー当たりのコア数の推移
サーバー当たりのコア数の推移

そこで、2013年には、「クラウドサービスプロバイダーの商用環境に大規模に導入されるようになった」とハレル氏。例えば、すでにAWS、ラックスペース、新日鉄住金ソリューションズなどで、Vyatta vRouterは採用されているという。

ラックスペース社におけるVyattaのユースケース
ラックスペース社におけるVyattaのユースケース

今後はさらに通信事業者や大規模エンタープライズなどでの採用拡大も目指していくが、そもそもNFVの価値とは何だろうか。ハレル氏は3つの視点から説明した。

NFVの価値
NFVの価値

1つめは「自動化」である。簡単に新しいネットワークを構築できるほか、「どれだけのコアを割り当てるかによって、ネットワークのキャパシティの増減も迅速に行える」とした。

2つめは「高効率」だ。「従来型の非常に高価なプロプライエタリなハードウェアではなく、安価なx86サーバーで実現できる」

最後は「ビジネス」で、サービスを迅速に提供開始でき、収益化までの時間も短縮できるという。

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