――UC市場の範囲の定義はまだ定まったものがありませんが、日本マイクロソフトがターゲットとする市場の規模と今後の見通しについて、どのように捉えていますか。
小国 確かにUC市場は、企業のコミュニケーション基盤となるプラットフォームからアプリケーション、サポートまで幅広い領域に及びます。提供形態もハードウェア、ソフトウェア、およびサービスと分かれており、当社でも「UC市場」としての枠組み、金額規模は定義しきれていないのが現状です。
――調査会社IDC Japanでは、UC市場を「UCプラットフォーム」「UCアプリケーション」「UCアプリケーションサービス」「UCプロフェッショナルサービス」の4つのセグメントに分け、総額で2000億円と市場規模を見積もっています(図表)。
図表 国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場セグメント別売上額予測
小国 我々の主たるビジネス領域は、そのうちのUCアプリケーション市場と、UCアプリケーションサービス市場が最も近いでしょう。
――同調査では、そのUCアプリケーション/サービスのセグメントが最も成長すると予測しています。
小国 それは私も同じ感触です。UC市場全体が成長しつつ、かつ、その中でUCアプリケーションやサービスが特に伸び、大きな割合を占めていくと考えています。その動きの中で、Microsoft Lyncと、オンラインサービスであるOffice 365のユーザー数を伸ばすことで、UC市場の成長にも貢献できると考えています。
高まるLyncのプレゼンス
――Lyncの実績については、現時点までどうでしょうか。
小国 Lyncのライセンス数は順調に伸びています。特に、当社でいう「FY2013(2012年7月~2013年6月)」は非常に好調で、中堅クラスの企業にも、従業員規模250人以下のお客様にも広がりました。また、超大手企業への導入も数件決定し、目標以上の成果を上げることができました。市場におけるマイクロソフトのプレゼンスを高められたと考えています。
国内に限定した数値ではないのですが、ワールドワイドでは、対前期比で30%を超えて売上が伸びています。また、11四半期連続で成長しており、Lyncは当社の中でも「成長製品」と位置付けられるものになりました。国内の実績も、それに引けを取るものではありません。
――Enterprise Voice(LyncのIP-PBX機能、以下「EV」)を含めた実績も伸びているということでしょうか。
小国 伸びています。これもワールドワイドの数値ですが、EVのユーザー数はすでに700万に達しました。
――今後の見通しを教えてください。
小国 注力すべき点は2つあります。1つは引き続きライセンス数を増やすこと、もう1つがパートナーの開拓、拡充です。国内のライセンス販売については、FY2014(2014年6月まで)は、FY2013と同程度は伸ばしたいと考えています。その後3年で、さらに3倍程度に増やしていきたいですね。