――第1四半期決算は、通信キャリア3社の中で2社が増収増益、ドコモは増収減益でした。「ひとり負け」といった表現も使われていますが、どのように分析していますか。
坪内 純増数やMNPでは苦戦が続いており、販促費を積み増したことで営業利益が前年比でマイナスになりました。こうした面がクローズアップされていますが、スマートフォンの年間出荷台数のうちドコモは45~50%のシェアを取っており、決して他社に売り負けているわけではありません。
また、あまり目立たないかもしれませんが、今年度の事業運営方針として掲げる「スマートライフのパートナーへ」の実現に向けて着実に進んでいると評価しています。
――スマートライフのパートナーとは、具体的にどのような取り組みですか。
坪内 我々としては、ネットワークを構築し、端末を販売するという通信キャリアとしての責務をきちんと果たした上で、スマートフォン時代の構造変化に合わせてサービスを新たな収益源として強化しようとしています。
それを実現するためには、高速なネットワーク、その上で動く高機能端末、そして多様なサービスが必要です。LTEサービス「Xi」は最大112.5Mbpsと100Mbpsを超えるとともに、加入者全体の4分の1にあたる約1500万件が契約しています。またスマートフォンは2000万契約を超え、契約者全体の3分の1が利用している計算です。このまま順調に行けば、約6000万いるお客様のかなりの部分がXi対応のスマートフォンを使うようになります。
その上で提供するサービスについては動画や音楽などデジタルコンテンツが先行していますが、スマートフォンから注文してコンテンツを受け取り、料金は月額利用料と一緒に引き落とされるというプラットフォームを今後は食品・日用品などリアルな物販や、学習や旅行など生活サービスにも展開していきます。
さらにdocomo IDの導入でキャリアやネットワーク、デバイスに関係なくサービスを利用できる環境を作ることで、お客様の利用機会を拡大し、生活の質の向上を図る狙いがあります。そのための基盤は着実に広がっており、よい方向に向かっていると実感しています。