【ワイヤレスジャパン】「Firefox OSは何をもたらすのか」――Mozilla Japan関係者が講演

Mozilla Japanはワイヤレスジャパンの会場において、「モバイル端末にもオープンWebを~Firefox OSがもたらすもの~」と題した講演を行った。

まず、マーケティングマネージャーの小坂哲也氏が、Mozillaのこれまでの取り組みを紹介した後、Firefox OSを開発する目的を説明した。

Mozilla Japanマーケティングマネージャーの小坂哲也氏

Mozillaは、「Webをよりオープン・革新的で、さまざまな機会をもたらしてくれるものにする」をミッションとする。Firefox OSもそうしたミッションを実現するための活動の一環であり、スマートフォンのあらゆる機能をHTML5アプリで開発するオープン性を特長とする。

現在、スマートフォン向けOSはアップルのiOSとグーグルのAndroidが全体の60%を占めている。日本に限って見れば、この2つのOSのシェアは合計90~95%に達する。iOSとAndroidによる寡占化が進む中で、Firefoxは「技術的な中立性」を掲げている。実際、通信キャリアなども開発に参加できる。

こうしたオープン性や公平性から、今年2月のMobile World Congressでは、KDDIをはじめ世界18の通信事業者が賛同を表明した。今夏にはスペイン・テレフォニカやドイツテレコムから商用端末が発売される。

Firefox OSはHTML5をベースとしていることから、アプリ開発が未経験でも、HTML5開発者であればアプリ開発が可能だ。アプリ開発者の数はiOSが約10万人、Androidが約45万人といわれる。これに対し、Firefox OSでは約800万人が開発者となりうる計算で、「桁違いの技術者がアプリを開発できることで、新たなエコシステムが生まれるプラットフォームになりうる」と小坂氏は言う。

Mozillaでは、独自のアプリマーケットとして「Firefox Marketplace」を用意する。キャリア決済にも対応し、アプリ購入やアプリ内課金も容易に行えるほか、通信事業者や端末メーカーも自社ストアをFirefox Marketplace内に構築できる。現在のアプリ数は1000弱だが、商用端末の発売時にはもっと増える見込みだという。

続いて、テクニカルマーケティングの浅井智也氏が、Firefox OSの課題への取り組みについて解説した。

Mozilla Japanテクニカルマーケティングの浅井哲也氏

Webベースのプラットフォームは危険との見方が一部にあるが、浅井氏は「位置情報や端末固有ID、個人情報などアプリが何でも取得し送信する仕組みは危険であり、インストール前の確認だけでは無意味。その点、Firefox OSはプライバシー情報に関してはアプリの実行時にも確認を取る仕組みになっている」と説明した。

また、処理速度が遅いこともFirefox OSの課題とされるが、MozillaとEpicが協力してゲームエンジン「Unreal Engine 3」をWebへ移植することで、高速描画が可能になったという。

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