レッツコーポレーションは2012年7月27日、顔認識技術を搭載した無人受付システム「覚えTELL KAU-117」を発表した。8月20日に発売する。
同社情報機器事業部の原田博文氏によると、顔認識技術を採用した狙いは大きく2つあるという。まずは「来訪者の受付プロセスを大幅に簡略化できるため」である。
顔認識付き無人受付システム「覚えTELL KAU-117」 |
一般的な無人受付システムの場合、タッチパネル操作によって部署や名前などから担当者の内線番号を検索するのが通常だ。一方、KAU-117では、顔認識技術により来訪者を特定し、あらかじめ関連付けておいた担当者名を表示。すぐに担当者の内線および携帯電話に連絡することができる。
カメラが来訪客を捉えると、顔認識技術により人物を特定。「はい」ボタンをタッチすると、関連付けられた担当者名が表示される |
来訪者情報の登録方法は次の通りだ。KAU-117のカメラに写った顔はすべて画像として記録されるので、初回訪問後に来訪者の顔画像と名前・社名・連絡先、さらには今後表示するこちら側の担当者情報を入力。これで次回以降、その人が来訪すると、自動で担当者名などが案内されるようになる。顔認証を行った日時と来訪者情報は自動で記録されるので、受付台帳の記入も不要だ。
そして、顔認識技術を採用した2つめの狙いは、「先進的な技術を使うことで、来られたお客様に驚いていただけること」(原田氏)である。
有人受付と比較した無人受付システムの最大のメリットは、人件費がかからないこと。とはいえ、来訪客の印象という点では、やはり有人のほうが優れる。だが、KAU-117なら、顔認識という先端技術による“おもてなし”が行えるというわけだ。なお、担当者の呼び出し中に来訪者を退屈させないよう、顔認識技術を使って来訪者の性別や年齢を判定する「おまけ機能」も用意されている。
KAU-117に搭載されている顔認識技術は、レッツコーポレーションが自社開発したもの。原田氏によると、今後、他の商品にも顔認識技術を展開していく計画だという |
KAU-117の価格はオープンプライス(参考価格は69万8000円)。無人受付システム用PCとタッチパネルモニター、顔認識用カメラ、名刺リーダーなどがセットになっている。
また、オプションとして、Android端末へ来訪者の到着を知らせる「画像転送アプリケーション」、自動車のナンバープレートを読み取り来訪者の到着を検知する「おなりシステム」、未登録の人が来たら光と音で知らせる「未登録者検知システム」も提供する。