ソフトバンクの2012年3月期第1四半期決算、スマートフォン好調で過去最高の売上高と営業利益

ソフトバンクは2011年7月28日、2012年3月期第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の7642億円、営業利益は同12%増の1758億円。売上高は3期連続、営業利益は6期連続でそれぞれ最高益を記録した。

ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏

好業績の牽引役となっているのが移動体通信事業で、なかでもiPhoneの好調により、売上高は前年同期比16.6%増の5140億9000万円、営業利益は同13.5%増の1164億9100万円となった。

また、純増契約数は3キャリアの中で最多の73万、MNP転出入は19万の転入超。データARPUは2440円とauを上回り、ARPU全体に占める比率も世界で最も高い58%となっている。孫正義社長は「音声ではなく、データARPUを伸ばした企業が競争に勝つ」と語った。

第1四半期はデータARPUでauを逆転

ソフトバンクでは、東日本大震災を機に自然エネルギー事業に参入し、今月13日には「自然エネルギー協議会」を設立した。北海道帯広市にメガソーラー実験施設の建設を予定している。しかし、同社にとって本業はあくまでも通信であり、「本業をまっとうすることが上場会社の社長としての使命」(孫社長)という。

その本業では、アップルが開始を予定しているクラウドサービス「iCloud」や最新OS「iOS5」により、iPhoneとiPadの両方を活用する企業は今後も増えると見えており、2010年代に4000万契約の達成を目標にしている。

そうした中で最大の課題となっているのが「電波のつながりやすさ」で、「さらなる成長への布石」として2011~12年度の2年間で1兆円を投じて設備投資を増強する計画だ。

富士キメラ総研によると、国内のスマートフォン販売台数は2010年度の705万台から、2015年度は3550万台へと約5倍に拡大すると予測する。今後5年間でトラフィックは約40倍になると見られるが、無線の周波数だけでカバーすることは困難になる。海外の通信事業者の中にはデータ定額を見直す動きが出ているが、孫社長も「大量に利用する一部のユーザーのために残りのユーザーが迷惑をこうむっている。完全フラット定額はアンフェアという流れになっている」として、将来的にデータ定額を見直す可能性を示唆した。

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