2010年は、国内携帯電話メーカーの再編が一気に進んだ1年だった。4月にNECとカシオ日立モバイルコミュニケーションズが事業統合し「NECカシオ モバイルコミュニケーションズ」が誕生したのに続き、10月には富士通と東芝の携帯電話事業の統合により「富士通東芝モバイルコミュニケーションズ」が発足。国内メーカーの集約が大きく進展した。
では、国内携帯電話メーカーにとって、2011年は何が大きなトピックとなるのだろうか。それはもちろんスマートフォンに他ならない。冬春モデルでAndroidスマートフォンを投入したシャープと東芝を除くと、国内携帯電話メーカーは遅れをとっている。「これほど早く国内でスマートフォンが普及するとは思わなかった」というのが、冬春モデルでのスマートフォン発売が間に合わなかったメーカー関係者たちの弁だが、これらのメーカーもスマートフォンへの取り組みを強化する方針を一斉に打ち出しており、2011年前半にパナソニックとNECカシオ、夏には富士通がスマートフォンを発売する計画だ。
日本でもスマートフォンへのシフトは急速に進んでおり、国内メーカーにとって、自社のスマートフォンがうまくいくかどうかは決定的に重要な意味を持つ。「後発組はよい製品を安く提供するチャンスがある一方、計画通りに行かないメーカー間で事業を統合する可能性もある」とMM総研パーソナル・ネットワーク研究グループ研究部長の横田英明氏が指摘する通り、スマートフォンの成否によっては、さらなるメーカー再編も起こるかもしれない。