富士通、携帯電話の法人戦略に関する説明会を開催

富士通は2010年8月27日、携帯電話法人市場の取り組みに関する説明会を開催した。

コンシューマー市場が飽和に近づくなか、法人市場では音声・データ通信の定額化や法人向け定額内線サービスの登場、情報漏えい対策への関心の高まりなどから年平均12%の成長が期待されるという。執行役員常務ユビキタスプロダクトグループ長・ユビキタス戦略室長の大谷信雄氏は「携帯電話は個人向けと企業向けの区分けがあいまいで、法人携帯はまだまだ発展途上」と語る。

富士通執行役員常務の大谷信雄氏

富士通では08年3月に、Windows Mobile 6.0を搭載した法人端末「F1100」を発売した。内線FOMAと無線LANのデュアル、汎用業務ソリューション、グループウェア連携など1機種にさまざまな機能を盛り込んだが、「“帯に短し襷に長し”で、ユーザーのニーズを捉えきることができなかった」と大谷氏は振り返る。

こうした経験を踏まえ、富士通では多くのニーズに応えるよう法人端末をラインナップ化する。
今年5月に発売した「F-05B」は、バーコードスキャナを搭載し、業務用ハンディターミナルとして利用できる。一方、8月31日に発売を予定している「F-10B」は、必要な機能のみ厳選しているのが特徴だ。ワンセグやカメラ、ゲームといったエンタメ系の機能を省く一方、指紋センサーや遠隔ロック・カスタマイズ、防水・防塵などの安心・安全機能を搭載している。

バーコードスキャナを搭載した「F-05B」

企業が携帯電話を導入する際、機種選定に関わる総務部門を対象に富士通が行った調査によると、セキュリティや防水、長時間運用など機能面での要望のほか、「初期コストを抑えたい」「同一機種を長期にわたって管理したい」といった声が聞かれた。こうしたニーズを基に、F-10Bは長く利用してもらえるよう「安定品質・安定供給」を目指しており、販売サイクルもコンシューマー向けと違い最低1年以上となる見込みだ。店頭での販売価格は未定だが、低価格に抑えるという。

会話内容をmicroSDに録音できる通話メモなど法人向け機能が充実した「F-10B」

F-10Bの発売と合わせて、富士通では法人向けに「メールソリューション」と「健康ソリューション」も展開する。

メールソリューションは、会社のPCメールを携帯電話で閲覧できるというもの。導入企業のメールサーバーで受信したメールが富士通の企業ネットワークサービス「FENICS」を介して携帯電話に届く。メールはプッシュ配信に対応するが、フィルタリング機能で必要なメールだけ抽出できる。添付ファイルはJPEGに自動変換され、拡大・縮小することが可能。指紋認証やメール自動削除、紛失時の遠隔初期化などセキュリティ機能も充実している。料金は1ID当たり月額500円。今年10月からβ版による無償トライアルを行い、2011年1月にサービスを開始する。

「メールソリューション」の仕組み

健康ソリューションは、F-10Bに搭載されている歩数計や活動量計で測定した身体活動情報を健康管理に活用する。8月に開始した「深体創工房」の法人向けメニューとして提供する。料金は1ID当たり月額数百円で、今年12月に開始を予定している。

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