ネットワンシステムズは、三菱重工エンジン＆ターボチャージャの相模原地区第三工場のIoT活用を可能にするネットワーク基盤を構築した。この環境は、9月から稼働しているという。
今回、構築されたネットワーク基盤は、相模原地区第三工場の製造ラインをネットワークに接続するためのもの。同工場では、ターボチャージャ（自動車の燃費向上に寄与する過給機）を構成する部品の切削・研削・検査、およびターボチャージャの組み立てを行っている。製造ラインがネットワークに接続されることで、それらの部品の計測データをリアルタイムで収集・分析できるようになる。
このネットワーク基盤は、シスコシステムズの産業環境向けイーサネットスイッチ「Cisco Industrial Ethernet シリーズ」を用いており、工場内の5種類の製造ラインから計測データを収集できる環境を構築した。また、工場外からもそれらのデータを活用できるよう、ファイアウォールを用いてセキュリティを強化し、外部と安全なネットワーク接続を実現したという。
ネットワーク基盤の設計においては、コストと耐障害性のバランスを考慮した。具体的には、製造ライン内のネットワークはコスト優先のスター型構造を、製造ライン間を接続するバックボーンネットワークはリング型構造を採用。リング型構造は、機器障害の際にもネットワーク停止時間をミリ秒単位でも抑えられる。また、ネットワーク機器を接続する光ファイバケーブルは、米国パンドウイットコーポレーションの産業環境向け製品「Panduit IndustrialNet シリーズ」を用いた。
このネットワーク基盤により、三菱重工エンジン＆ターボチャージャは、製造部品の各種計測データを紐づけた上でネットワーク越しに確認できるようになり、より一層のトレーサビリティ向上を実現できるという。将来的には、ネットワークで収集する計測データを増やし、生産ラインの不具合の予兆を見つけて対応できるようにして、ライン停止や不良品発生などの防止を目指す。
| ネットワーク基盤の構成イメージ |
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