KDDIの3Q決算は増収増益――2期連続2ケタ成長に手ごたえ

KDDIは2015年1月30日、2014年第3四半期(2014年4~12月)の連結業績を発表した。売上高にあたる営業収益は5.4%増(対前年同期比、以下同)の3兆3519億円、営業利益は9.7%増の5850億円と増収増益だった。

第4四半期を残し、営業利益は進捗率80%を達成

好調の要因として今期最高の増加となったMNP純増、そしてモバイル通信料収入と付加価値売上が順調に拡大していることが挙げられた。具体的には、モバイル通信料収入の増加とモバイル販売手数料の削減効果が通信設備使用料の費用増を吸収した結果、営業利益は518億円の増益となった。また、月額372円(税抜)でクーポンを取得したりコンテンツを楽しめる「auスマートパス」の会員数やプリペイド型の決済サービス「au WALLET」の申込数が増えていることにより、付加価値ARPUが成長している。

ネットワーク、端末、料金、サービスにおいて強化・向上を狙う

今後も競争力を維持・向上するために、スマートフォンに関わる全ての領域で強化を図るという。まず、スマートフォンの新しい利用者層の開拓を目指し、シニア向け・ジュニア向けなど端末を投入する。他には4G LTE/WiMAX 2+の高速通信ネットワークを増強し、au WALLETにおいては1兆円規模を目指す。

質疑応答では、NTT東西による光ファイバー回線サービスの卸売に話題が集中した。

質疑応答に応じる田中孝司社長

田中社長は「光卸」により生じる顧客獲得の動きを、①これまでNTT東西が提供してきた固定回線の転用、②固定回線にモバイル回線を合わせたバンドルプランの2つに分け、KDDIは①に直接大きく関係しないが、②の影響をすぐにではないが受ける可能性があると述べた。

例えば、29日に発表されたばかりのNTTドコモの「ドコモ光パック」とKDDIの「auスマートバリュー」の競争は②にあたり、ともに固定回線とモバイル回線をセットで利用することで割引が生じる。

両者は一見同じようなバンドルプランに見える。しかし、ドコモ光パックは固定回線から割り引くのに対して、auスマートバリューはモバイル回線から割り引くと田中社長は指摘。固定回線が割引対象の場合は1家族につき1つの割引しか付かないが、モバイル回線であれば家族の構成員の数だけそれぞれ割引が付くとauスマートバリューの強みを語った。

KDDIは2013年4月に発表した中長期計画では3期連続の2桁成長を目標に掲げている。目標を達成した前年度に引き続き、「2期連続の通期営業利益2桁成長に向けて順調に進捗している」「着地目標を達成することを前提にまい進する」と田中社長は述べた。

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