イー・モバイルが国内初のDC-HSDPAでの42Mbps伝送デモ

イー・モバイルは2010年7月6日、同社が今年10月に導入を計画している下り最大42Mbpsを可能にする新システム、DC-HSDPAの伝送デモを報道関係者に公開した。

デモは東京・虎ノ門のイー・モバイル本社内に設置されている屋内商用基地局をDC-HSDPA化して実施された。屋内環境かつ、データ通信端末1台を基地局に接続する理想的な条件下ではあるが、最大通信速度で下り40Mbps超、平均でも36Mbpsのデータ通信が実現されることが示された。

DC-HSDPAの伝送デモ。平均スループットも36Mbpsが実現されている

デモに使われたドングル型データ端末

DC-HSDPAは、イー・モバイルが昨年7月に導入した21Mbpsの高速データ通信が可能なHSPA+の搬送波を2波まとめて端末で受信することで、HSPA+の2倍の通信速度を実現する技術。同社は昨年6月に割り当てられた1.7GHzの新帯域のうち5MHz幅を使って2波目のHSPA+の設備の構築を進めており、開業時から運用している1波目と組み合わせる形でDC-HSDPAを導入する。


デモに先立ち、あいさつした代表取締役社長のエリック・ガン氏は、DC-HSDPAを高速道路の車線拡大になぞらえて説明。DC-HSDPA導入に伴う容量拡大と8月から実施するヘビーユーザーに対する帯域制限措置が、ユーザーの実効スループットの向上を図る「快適化計画」の2本柱になるとした。さらに10月開始の42Mbpsサービスは「間違いなく日本最速のサービスになる」と自信を見せた。


具体的な料金やサービスエリア、端末などの発表は今秋の見込みだが、取締役副社長の阿部基成氏は質疑応答で「まず大都市からサービスを開始、1年程度で人口カバー率60~70%程度のエリアを構築する。料金はフラットレートを中心に考えている」とした。

(左から)イー・モバイル取締役副社長の阿部基成氏、代表取締役社長のエリック・ガン氏、日本エリクソンバイスプレジデントのモーガン・カービー氏

デモに合わせて、エリクソンに基地局装置を納入する日本エリクソンのバイスプレジデントのモーガン・カービー氏が、DC-HSDPAなどHSPAの発展システムの市場動向について報告。HSPAの発展システムは最大速度ではLTEをキャッチアップしているとし、事業者は獲得周波数帯や既存設備の状況によっていずれかを選択することになるとした。その上で、世界341の通信事業者がすでにHSPAを導入しており、これらの多くはDC-HSDPA導入に動くという見通しを示した。また、すでに1事業者がDC-HSDPAを商用導入していることを明かした。

モーガン・カービー氏は「HSPAとLTEの最大通信速度は同等」と述べた

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