「無線LAN」が企業のメインインフラへ(前編)――スマホ普及で有線LANとの“主役交代”が加速

スマートフォン/タブレット端末の導入を機に、無線LANの本格導入に踏み切る企業が増えてきた。技術の進歩により、有線LANに代わるオフィスのメインインフラとしての役割を担えるようになったからだ。企業向け無線LANの最新動向をレポートする。

企業向け無線LAN市場がいま熱い――。

「当社製品のグローバルベースでの出荷台数は四半期ベースで昨年の倍以上。市場全体も4割ほど伸びているのではないか」。こう話すのは、無線LANソリューションベンダーのアルバネットワークスの日本法人でマーケティングディレクターを務める杉江智之氏だ。

同じく無線LAN専業のメルー・ネットワークス(日本法人)のシニアシステムエンジニア、中西良夫氏も「規模はさほど大きくないものが多いが、問い合わせや受注に結びつく案件の数が1年前とは格段に違ってきている」という。

こうした無線LANの伸びを引っぱっているのが、スマートフォンやタブレット端末の企業導入である。なかには、PCに替わるツールとして、タブレット端末の全社導入に踏み切るケースも出てきた。

イーサネットポートを持たないスマートフォン/タブレット端末を社内システムに接続して業務に活用したいというニーズが、多くの企業が改めて無線LANの整備に動く大きな理由となっているのだ。

また、技術の進歩も企業の無線LAN導入が進んできた大きな要因となっている。これまで無線LANは、有線LANに比べて通信速度が遅く不安定、あるいはセキュリティ上の懸念があるなどの理由で、有線LANの補完的な役割にとどまってきた。

ところが、(1)数百Mbpsクラスの伝送能力を持つIEEE802.11n、(2)高度な暗号化が容易に利用できるWPA2、標準認証技術のIEEE802.1Xなどの普及によって、そうしたネックがほぼ解消されてきたのだ。

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