KDDIの2012年3月期中間決算は増収増益――通期のスマートフォン販売計画は500万台超を予想

KDDIは2011年10月24日、2012年3月期第2四半期決算を発表した。連結営業収益は前年同期比1.4%増の1兆7433億円、連結営業利益は同7.6%増の増収増益だった。

KDDIの田中孝司社長

事業別では、移動通信事業の営業収益は同2.1%増の1兆3322億円となる一方、営業利益は音声ARPUの減少(660円減)がデータARPUの増加(150円増)を上回り、同6.7%減の2311億円となった。

KDDIは今年度、「基盤事業の立て直し」として「auのモメンタム回復」に取り組んでいる。上期はスマートフォンの販売台数が191万台と携帯電話からの移行が本格化しており、特に今月14日に発売した「iPhone 4S」以降は新規契約が従来より3割弱程度増えているという。同社代表取締役社長の田中孝司氏は通期の目標販売台数400万台に対し、「500万台を確実に超える」との見通しを語った。

こうした好調を裏付けるように、「解約率」「MNP」「純増シェア」「データARPU」からなる4つのKPIは改善傾向にある。

まず、解約率は前年同期の0.73%から0.70%と0.06ポイント低下。MNPは前年同期の17万の転出超から8万3000の転出超へと大幅に改善した。特に9月下旬以降は「iPhone 4S」販売開始前にもかかわらず、転出が大幅に減少する一方、転入が急速に拡大しており、同月は純増に転じた。また純増シェアは前年同期の17.8%から27.1%と9.3ポイント上昇。データARPUは前年同期比150円増の2460円となっている。

9月はMNPが純増に転じたという

下期は、「auモメンタムの完全回復」に向けて、「MNP転入超」「純増シェア拡大」「データARPU向上」を目標に掲げる。そのために、スマートフォン時代に対応した商品力、販売力、データオフロードを強化する。なかでも商品力は、iPhone 4Sをはじめ、WiMAX対応やWindows Phoneなどスマートフォンの品揃えを強化するとともに、基本使用料が月額980円の「プランZシンプル」、スマートフォン向けの「安心セキュリティパック」など、端末とサービスの両面から強化する。

またデータオフロードについては、「au Wi-Fi SPOT」がすでに3万スポットを突破、年度末10万スポットに向けて拡張しているほか、グループ会社UQコミュニケーションズのWiMAX基地局数が9月末時点で1万6084局となり、利用可能エリアは全国716市区町村に拡大している。FTTHも世帯カバー率を現在の約40%から、2012年春に約70%まで拡大する計画だという。

固定通信事業は、営業収益が前年同期比2.0%増の4473億円、営業利益は前年同期の37億円の赤字から、321億円の黒字と大幅に改善した。FTTHが前年同期比115億円増の581億円と増収になったことに加えて、ネットワークコストを81億円削減したことが寄与している。

下期は、エリア状況に適した販売チャネルの展開やさらなるエリア拡大により、増収増益の確立を目指すとしている。

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