「音声・ビデオ×AI」で顧客接点はどう変わるのか、Twilioが最新事例で解説

コロナ禍のなか、顧客との結びつきをデジタル技術で強化する取り組みが拡大している。この顧客エンゲージメントのためのツールとして、音声・ビデオ通話やSMS機能をクラウド型で提供しているのがTwilioだ。UberやNetflixもユーザーに持つ同社が「顧客接点DX」の最新事情を解説した。

「ボイス×AI」でコロナワクチン接種受付を完全自動化
今野氏は今後、コミュニケーションツールとAIの組み合わせが新たなトレンドになると予想し、日本での先進事例として、AI Shift社の「ボイスボット事業」を紹介した。

AI Shiftは2019年にAIチャットボット事業で創業したスタートアップで、2021年から新事業としてボイスボット事業を開始している。ボイスボットとは、音声認識と対話戦略(AIが最適な回答を判断する)、音声合成を組み合わせて電話応対を自動化するソリューションだ。

事業の本格開始後からまだ半年余りながら、ボイスボットの導入事例はすでに80を超え、その1つにコロナワクチン接種の予約受付がある。AI ShiftがTwilioを活用して開発した「AI Messenger Voicebot」が、予約の電話をかけてきた利用者と対話して希望会場・日時、接種券番号を聞き取り、希望日に空きがなければ代替候補を提示する。

ワクチン接種予約受付の活用例
ワクチン接種予約受付の活用例

AI Shift 代表取締役社長の米山結人氏によれば、1時間で1000件以上の受付をこなしているという。

もう1つ、大手法律事務所では、営業時間外のコールバック予約受け付けに活用されている。

同事務所では、営業時間内は人間のスタッフが電話受付を行っているが、営業時間外の機会損失を防止することを目的にAI Messenger Voicebotを導入した。法律相談の希望時間、名前、電話番号の聞き取りといった一次請けに用いている。「コスト削減が目的ではなく、機会損失を無くして売上を上げるために導入された。月間で100件以上の案件を営業時間外に取得できている」

AI Shift 代表取締役社長の米山結人氏
AI Shift 代表取締役社長の米山結人氏

日本に独自の開発者コミュニティ
AI Shiftの米山氏によれば、Twilioを採用した決め手は、開発機関の短縮とコスト低減の効果。「プロトタイプは数週間で開発でき、本格的なプロダクト開発も数カ月でできた。電話に関する専門的な知識がなくても開発できる」

Twilio Japanではこうした動きをさらに加速させるため、パートナーの拡充とともに、開発者コミュニティ活動の強化にも力を入れているという。グローバルではすでに1000万人超の開発者コミュニティが存在しており、2021年3月には日本法人でも独自のコミュニティ活動を開始。9月時点で会員数は900人を超えたという。

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