[特集]ロボット×IoTが世界を変える 第2回「自分の分身をどこでも派遣」、テレプレゼンスロボットが変える企業コミュニケーションの未来

離れたオフィス等に置かれたロボットにログインし、自らの分身として使う――。そんな“コピーロボット”や“分身の術”を思い起こさせるテレプレゼンスロボットがジワジワと普及し始めている。

サイネージや受付アプリの併用もiPresenceの藤永氏も、こうした小売業等での利用に期待を寄せる。

同社は、デジタルサイネージやカタログアプリ等を提供するゼネラルリソースと共同で、テレプレゼンスロボットの新たな活用法を開発している。バーチャル来店のような使い方のほか、ゼネラルリソースが開発した、iPadをデジタルサイネージとして使うアプリや、タッチ操作で希望の宛先を選んで通話ができる受付アプリをDoubleと組み合わせて、店舗や施設、オフィスで“動くデジタルサイネージ”“動く受付システム”として使うことも検討中だ。

ゼネラルリソースが開発した受付アプリ
ゼネラルリソースが開発した受付アプリ。タッチ操作でアドレス帳を呼び出し、目的の宛先に電話をかけられる。このほか、デジタルサイネージとして広告を表示したり、外国人向けに通訳サービスを提供したりと、さまざまな用途が考えられる

また、iPresenceでは、KubiとDouble以外のテレプレゼンスロボットも取り扱っており、藤永氏は「種類の異なるテレプレゼンスロボットを統合的に扱えるプラットフォームを作りたい」と展望を話す。現在、KubiもDoubleも、その他のロボットも、ベンダーごとに操作アプリやプラットフォームが分かれている。ただし、遠隔制御と音声・映像通信にWebRTCのような標準規格を用いていれば、接続・認証の仕組みや操作用アプリを開発してそれらを統合的に扱えるプラットフォームを構築することは可能だ。

すでにビデオ会議ベンダーのVidyoとZoomがDoubleとKubiに対応しており、PCやスマートフォン等と同じようにアクセスできるようにしている。iPresenceはロボットに特化して「さまざまな“コミュニケーションロボット”を用途や場面に応じて使い分けられる環境を実現する」ことを目指していくという。

こうした取り組みが加速することで今後はオフィス、商業施設や観光施設、公共交通機関などからの注目も高まりそうだ。先に述べた用例のほかにも、外国人が多く来訪する場所では、遠隔地にいる通訳者とロボットを介してやり取りするといった使い方も考えられる。アイデア次第で用途はさらに広がっていくだろう。

月刊テレコミュニケーション2016年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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