AWSを上手に使いこなすためのネットワークソリューション入門[前編]日本的クラウドファーストに「AWS Direct Connect」が必須なワケ

国内の大企業も続々と採用し始めたAWS――。いよいよ日本にもクラウドファースト時代が本格的にやってきているが、国内企業のAWS導入には「日本的クラウドファースト」といえる特徴がある。そして、日本的クラウドファーストを支えるネットワークサービスが「AWS Direct Connect」だ。

「クラウドは不安」――。数年前なら頻繁に聞いたこんなセリフも、最近は耳にする機会がめっきり減ってきた。なぜなら今や多くのIT担当者が、「クラウドの方が安心」と評価しているからだ。

「『セキュリティが心配だからクラウドにする』という企業がかなり増えてきている」。国内企業の動向について、IDC Japan リサーチバイスプレジデントの中村智明氏もこう指摘する。

オンプレミスよりもクラウドの方が、より強固なセキュリティを実現できる理由は単純だ。クラウドプロバイダーなら、一般的な一企業が投資できる額よりもはるかに大規模な額を、セキュリティ対策に投資できるからである。

例えばAmazon Web Services(AWS)も「セキュリティを最重要視している」と強調し続けているが、そのAWSが好んで引用するのがNASA ジェット推進研究所の担当者による次の言葉だ。

「クラウド(この場合AWSのサービスを意味している)ではさまざまな理由で、われわれの組織内のインフラよりもはるかに高いセキュリティを保てるようになる」[引用元:「AWSで、社内DCよりセキュリティを高められる」理由(@IT)

あのNASAでさえ、クラウドの方がセキュリティが高いと言っているのに、どんな企業がクラウドよりも高いセキュリティを実現できるというのだろうか。

このようにクラウドへの信頼が高まるなか、懸念を語る言葉に代わり、頻繁に耳にするようになったのが「クラウドファースト」というキーワードだ。クラウドファーストとは、システムの新規構築や移行の際、クラウドの採用を第一に検討するポリシーのこと。国内でも多くの企業がクラウドファーストのポリシーのもと、クラウドへの移行を加速しているが、数あるクラウドの中で最も選ばれているのは、言うまでもなくAWSである。

AWSの国内ユーザー数は現在2万以上。しかも、東京証券取引所や三井住友海上火災保険、NTTドコモ、三井物産、パナソニックなど、数多くの著名企業が基幹システムにAWSを採用している。本格的なクラウドファースト時代を迎えた今、IT担当者にとって、AWSは必修科目の1つになりつつあるとさえ言えるだろう。

国内におけるAWSの導入実績
出典:アマゾン データ サービス ジャパン資料

そこで本特集では、AWSを上手に使いこなすためのネットワークソリューションに関する基礎知識を学んでいく。今回は、AWSと社内ネットワークをインターネットを介さずに閉域網で接続できる「AWS Direct Connect」について紹介する。

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