【中央会計】 第3のコミュニケーションツール「KDDI ChatWork」とiPhoneが支える急成長

年100社を超えるペースで顧客企業が増加中だという大阪の会計事務所、中央会計――。電話・メールに続く第3のコミュニケーションツールとして注目される「KDDI ChatWork」やiPhone 5などのスマートフォンの活用がこの急成長を支えている。

顧客企業との連絡手段としても大活躍

中央会計で特筆されるのは、顧客やパートナー企業との連絡手段としてもKDDI ChatWorkを積極的に活用している点である。「お客様にできるだけChatWorkに登録していただき、例えば先方の経理担当の方と当社の担当者、その上司とでグループを組むようにしている」と小松社長は説明する。

これにより、顧客企業と担当者とのやりとりを会社として把握可能になり、より質の高いサービスを提供できるという。例えば、担当者の休暇中に顧客から問い合わせがあった場合は、状況が分かっている上司が対応できる。結果、顧客対応に関連したクレームは非常に少なくなったそうだ。

もちろん、顧客に新しいコミュニケーションツールを使ってもらうハードルは低くはない。しかし、同社の取引先には起業して間もない「若い社長」が多いこともあって、取引先600社の約半分、300社弱とKDDI ChatWorkを介したコミュニケーションが実現しているという。

中央会計ではPCに2台のディスプレイを接続して業務を行っているが、片方のディスプレイに常にKDDI ChatWorkを表示しているスタッフが多いという

ファイル共有機能で年末調整書類もやり取り

ファイル共有機能も業務改善に貢献している。KDDI ChatWorkでは、1ID毎に1GBの容量が提供され、クラウド上でのファイル共有に活用できる。この容量は会社全体でシェアすることができ、月額100円/1GBで追加可能だ。

中央会計の場合、スタッフが作成した決算書の上司によるチェックなどに活用している。

さらに、顧客企業とのファイルのやりとりにも利用している。例えば、年末調整の控除申請書類。郵送するのが一般的だが、KDDI ChatWorkでのやりとりが可能な会社とはファイル共有機能を使っている。これにより郵送費や印刷費、封入の手間などを大幅に軽減できるそうだ。

また、KDDI ChatWorkでは大容量ファイルも扱えることから、ビデオファイルのやりとりもしているという。申請書の書き方などの説明ビデオを制作し、KDDI ChatWorkを介して顧客に提供する試みを行っているのだ。ビデオの制作には相応の手間がかかるが、記入方法などの問い合わせが格段に減るので、その負担を上回る効果があるという。

中央会計が比較的少人数のスタッフで、600社超の顧客企業に満足度の高いサービスを提供できる理由の1つは、KDDI ChatWorkの徹底活用による業務効率化にありそうだ。

全員がスマートフォン! iPhone 5のテザリング機能も有効活用

スタッフ全員がスマートフォンを持ち、外出先でもKDDI ChatWorkを活用していることも中央会計の特徴だ。同社は、私物スマートフォンを業務利用するスタッフに月額6000円を支給する制度を2年前から設けており、今ではスタッフ全員がスマートフォンを持っている。

また、これと並行してマネージャークラスの社員を中心に、法人契約のスマートフォンを支給する取り組みもスタートさせている。その大きな動機となったのは「テザリング」である。

中央会計では、以前から決算書などのチェックを行う必要のあるマネージャークラスの社員にノートPCを支給し、外出先からKDDI ChatWorkにアクセスできるようにしてきた。

そのアクセス回線として、KDDIのWiMAX対応スマートフォンのテザリング機能が活用できると考えたのだ。実際、高速で安定した通信が可能なWiMAXはスタッフから好評だという。さらにLTEとテザリングに対応したiPhone 5が9月にKDDIから発売されたことから、早速iPhone 5も導入している。

アクセス制限でセキュリティは万全

顧客企業の大切な情報を預かる会計事務所にとっては当然セキュリティもきわめて重要だ。小松社長は「会計事務所にとって、顧客情報の漏洩が万が一にもあれば致命傷になりかねない。セキュリティのリスクはゼロにしたい」と語る。

KDDI ChatWorkでは、登録されていないスマートフォンやIPアドレスからのアクセスを制限することができる。このセキュリティ機能を使って、未登録のスマートフォンからのアクセスを防止。さらに、PCについてもアクセス制限を実施している。みんなの目が届くフロアに割り当てられた固定グローバルIPアドレス以外からはアクセスできないようにしているのである。

KDDI ChatWorkとiPhone 5をはじめとするスマートフォン、そしてテザリング――。この3本柱は今後も中央会計の急成長を支えていくはずだ。

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