次世代ワイヤレス技術の実用化ロードマップとインパクト[第3回]通信技術の活用で「ぶつからないクルマ」を実現

90年代の1万人超をピークに減ってはいるものの、現在もなお大勢の人が交通事故で亡くなっている。しかし間もなく、通信技術の活用により「ぶつからないクルマ」が実現する見込みだ。

通信がクルマ社会の発展支える

安全運転支援システムの開発は、「2012年までに交通事故による死亡者数を5000人以下にする」という目標の下、進められてきた。90年代の1万人超をピークに、交通事故死者数は漸減。08年は5155人となった。来年度、事故多発地点を中心に安全運転支援システムの全国展開がスタートするが、この目標達成はほぼ確実。今後は、09年1月に麻生内閣総理大臣が施政方針演説で述べた「今後10年間でさらに半減」が新たな目標となる。

2010年代は、安全運転支援システムの全国展開を進めながら、「ぶつからないクルマ」の実現を目指し、さらなる高度化を図る10年となる。また、ITSには「安心・安全」のみならず、CO2削減(交通情報の提供により渋滞を解消し、エネルギー消費を効率化するなど)や、道路交通の利便性向上など、さまざまな期待が寄せられている。

特定非営利活動団体ITS Japanが策定した「ITS長期ビジョン2030」で検討されているサービスは、少子高齢化への対応、環境問題の解決など、実に多岐にわたる。「通信」は、クルマ社会の将来を左右する一大テーマと言っても過言ではないのだ。

図表 「ITS長期ビジョン2030」サービス実現に向けたロードマップ(クリックで拡大)

ITS長期ビジョン2030

第1回「【コグニティブ無線】電波利用のムダなくす、ホワイトスペース活用のコア技術」
第2回「【ボディエリアネットワーク】健康状態を遠隔から常時見守り 体内に埋め込むインプラント型も」
第4回「通信技術の活用で「ぶつからないクルマ」を実現」

月刊テレコミュニケーション2009年8月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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