ワイヤレスジャパン/WTP20225GとBeyond 5G/6Gの研究開発を効率化、220GHzまで一括でテストするアンリツの「ME7838A/D/G」ほか

通信ネットワークでは近年、より高い周波数帯を活用する動きが加速している。5Gでは28GHzや44GHz帯などのいわゆるミリ波帯域を、2030年代に実用化が見込まれているBeyond 5G/6Gでは100GHz帯を超えるテラヘルツ帯域の活用が視野に入っている。アンリツでは高周波への対応にあわせて進化したソリューションや、測定方法を提案している。

東京ビッグサイトで開催中の無線ネットワーク専門の展示会「ワイヤレスジャパン/WTP2022」。大手測定器メーカーのアンリツ主催ブースでは、ネットワークアナライザの「ME7838A/D/G」が注目を集めていた。

 

ME7838A/D/Gの外観

  ME7838A/D/Gの外観 

 
ME7838A/D/Gは「周波数応答」テストをするためのソリューション。周波数応答テストとは、モバイル通信のデバイスなどを開発する際、主に組み込まれたチップで回路設計などを行うフェーズで、扱う周波数を入力して正しく信号の波形の振幅や位相のずれが出力されるかなどを確認する試験だ。

その特徴は70kHzから最大220GHz帯域までのテストを「一括」で可能なこと。周波数応答のテストでは大きく3つの帯域がテストの領域に含まれている。すなわち(1)同軸ケーブル~110GHz帯、(2)110~170GHzのDバンド、(3)140~220GHzのGバンドである。「一般的なネットワークアナライザで周波数応答のテストをする場合、これらの3バンドのテストを個別に行い、それぞれのデータを統合する必要があるが、ME7838A/D/Gは一括で行える」(現地説明員)。これにより、DバンドやGバンドも視野に入っているBeyond 5G/6Gの研究開発をより効率的に行えるようになる。

 

 アンリツミリ波デバイス評価の課題と解決策

  ME7838A/D/Gの概要 
 
ユニークなところでは、スマホやアンテナおよびそれらの部品メーカーに向けて新しい試験方法の提案も行っていた。これらの開発者では、高周波数を扱う場合などでもより安定した測定方法が現在求められているが、「チャンバー(電波暗室)などで行うケーブルとの接続試験においては、高周波に対応したケーブルはセンシティブで、少しの曲げや雑音でも影響を受けて特性が変わってしまう」(現地説明員)。

 新しいサイトアッテネーション提案
  新しいサイトアッテネーション提案の概要
 
アンリツの提案する手法では、デバイスや備品とのケーブル接続試験でケーブルパフォーマンスエバリュエータ「CaPE-K」を活用するもの。CapE-Kが測定用の定在波を継続して出すことで、その定在波の変化から曲げなどによるパラメータの変化を計算することで、正確なケーブル接続試験が可能になるという。
 
ケーブルを接続している様子  ケーブルを接続している様子
 

これによって、近年改定が予測されているCISPR16-1-1の基準にも対応できる見込みだとしている。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。