SPECIAL TOPIC高度なAIエッジ処理をシンプルに実現! MWCで語られた「AI-on-5G」がもたらす価値

デジタルテクノロジーを用いてビジネスや社会を変革するDXにおいて、5Gが果たすべき役割は極めて大きい。この5GにAIを組み合わせ、ネットワークエッジで低遅延かつ高度な処理を実現するため、エヌビディアが提唱するのが「AI-on-5G」だ。MWC Barcelona 2021でも語られたこのコンセプトの詳細について、エヌビディアに聞いた。

高精度かつ高速、大規模な処理を5G+AIで実現GPUによって3Dグラフィックスの世界に革新をもたらし、そしてAIの進化を支え続けているエヌビディアは、5GとAIのインフラを融合する「AI-on-5G」というコンセプトを掲げている。同社がこのコンセプトの推進に力を入れていることは、MWC Barcelona 2021において、エヌビディアのテレコム部門のバイスプレジデントであるロニー ヴァシシュタ氏がAI-on-5Gをテーマにプレゼンテーションを行ったことでも明らかだ。

同社のAI&5G担当ジェネラルマネージャーであるソーマ・ヴェラユサム氏は、次のように説明する。「5Gでは人にサービスを提供するだけでなく、ネットワークカメラやロボットアーム、あるいは各種センサーといった“モノがつながるようになり、IoTのインフラとして幅広く活用されるようになるでしょう。また5Gは低遅延かつ広帯域で通信可能であることに加え、アーキテクチャが柔軟であるといった特徴があります。この5GのメリットにネットワークエッジでのAI処理を組み合わせ、これまで実現が困難だった精度と速度、規模で多種多様な処理を行うコンセプトがAI-on-5Gになります」

この5GとエッジでのAI処理を組み合わせたプラットフォームは、DXの土台として多くの産業を高度化していく可能性が高い。ある調査会社は、このAI-on-5Gがもたらす経済効果について、2035年頃までに10兆円を超えると予測している。

エヌビディア AI&5G担当ジェネラルマネージャー ソーマ・ヴェラユサム氏
エヌビディア AI&5G担当ジェネラルマネージャー ソーマ・ヴェラユサム氏

AI-on-5Gが社会やビジネスにもたらすベネフィットAI-on-5Gの具体的なユースケースの1つとしてヴェラユサム氏が挙げたのは、リアルタイムトラフィックプライオリタイゼーションである。たとえば救急車や消防車といった緊急車両と、道路脇などに設置されたネットワークカメラ、そして信号などを5Gでリンク。そのうえで緊急走行中の車両が近づいてきたことをネットワークカメラで捕捉すると、信号を制御するなどして緊急車両のスムーズな通行を可能にするといったユースケースだ。「高速に移動している緊急車両をリアルタイムに検知するためには、低遅延で通信を行い、受信したデータを高速に処理することが求められます。5GとエッジでのAI処理を組み合わせるAI-on-5Gであれば、こうした要求に応えることが可能です」(ヴェラユサム氏)

さらには、ARの技術を利用し、光の物理的な挙動をシミュレートして高品質なレンダリングを行うレイトレーシングの3D映像をリアル空間に組み合わせて表示することで製造現場などにおけるデザイン作業などを支援する。あるいは、数百のロボットアームをAIで制御しつつ、カメラ映像を組み合わせて異常検知を迅速に行うといったユースケースも紹介した。

AI-on-5G
AI-on-5Gは、小売業やスマートシティ、ヘルスケア、物流、製造などさまざまな領域で新たな価値をもたらす

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