各種アプリケーションを連携させるためのハブの役割を果たすMicrosoft Teamsをコミュニケーション基盤として採用する企業が増えている。昨年6月には、Office 365のクラウドPBX機能を使ってTeams上で外線電話の発着信を行う「Direct Routing」機能もリリースされ、チャットやビデオ会議等と電話を連携して使えるようになった。
このDirect Routingに対応したソリューションを提供し、Teamsへの電話の統合を促進しようとしているのが、エス・アンド・アイだ。
同社はこれまでもスマートフォンを内線電話化するFMC対応PBX「uniConnect」や、クラウドPBX「uni Connect Cloud」で、電話システムを変革しようとする顧客企業をサポートしてきた。執行役員 アライアンス本部長の村田良成氏は、「Teamsには非常に勢いがあり、電話を統合しようとするお客様も多い。ただ、解決しなければならない課題もある」と話す。
課題の1つは、使える電話端末が制約される点だ。Office 365のクラウドPBXで使える電話機・会議端末はマイクロソフト認定デバイスに限られる。
2つめは既存の電話環境の継承だ。
複数拠点を持つ企業の場合、全拠点を一斉にOffice 365のクラウドPBXへ移行できるケースは稀である。既存のPBX・回線を使い続ける拠点と、Office 365のクラウドPBXを使う拠点/ユーザーとの相互連携が必要になる。
3つめとして通話品質も課題となる。Office 365のクラウドとTeamsデバイス間はインターネットを介したVoIP通話となるため、通常の電話網による通話と比べると音声品質や信頼性に不安を感じるユーザーもいる。
エス・アンド・アイは、これらの課題を一掃し、従来通りの電話環境をTeamsと連携・統合できるようにするソリューションを提供する。
Direct Routingは、Office 365のクラウドPBXと拠点側のPBXの相互接続をサポートしており、これを用いることで既存PBXとTeamsの連携や、既存電話機の継続利用が可能だ。ただし、ネックとなるのが、拠点側にSBC(Session Border Controller)と呼ばれるゲートウェイ装置を導入する必要があること。特に、スモールスタートの際にはこの導入費用が足かせになる。
そこでエス・アンド・アイでは、仮想版のSBCをクラウドで運用し、その機能をサービスとして提供する(図表の①)。ユーザーは初期投資を抑えTeamsへの電話統合を始められる。また、既設の回線は活かしながら、この機にPBXの機能そのものをクラウド上のuniConnectへ移行することも可能だ。
一方、従来通り、ユーザー企業のデータセンターや拠点側にSBCをオンプレミス型(図表の②)で“配る”形態にも対応する。もちろんこちらの形態でも、uniConnectをPBXとして利用し、既設PBXをなくすことも可能だ。
図表 Teams voiceとの連携機能のイメージ
「これを機に音声インフラも含め、よりクラウドへシフトしたい企業や、既設の環境との統合を実現したいケース、我々ならどのパターンでも対応できる」(村田氏)。音声品質を担保しながら利便性とモビリティ性を高めたいが、企業によって事情は異なるため、どちらの形態も有力な選択肢となろう。
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