「これまで両極端な選択肢しかなかった日中の拠点間通信に、その中間の理想的な選択肢が提供できる。中国でビジネスを展開するお客様からの引き合いは非常に多い」
IIJグローバルソリューションズが2018年から取り扱いを始めた「Cato Cloud」について、マーケティング本部 担当部長の伊藤通洋氏はこう語る。中国に拠点を構える日本企業は、サイバーセキュリティ法やVPN規制により越境通信への対応やセキュリティ強化を迫られていることもあり、問い合わせは好評だという。
Cato Cloudとは、イスラエルのCATO Networksが提供するSD-WANの次世代型だ。ネットワークとセキュリティの機能をクラウドベースで提供するもので、同社が持つグローバルバックボーンネットワークを使って低遅延かつセキュアな通信が行える。
一般的に、中国に拠点を持つ企業はVPN規制の強化を受け、日本の拠点との通信用にIP-VPNを用いるケースが多い。安定的な通信が可能だが、コストが高いのが難点だ。また、中国拠点からインターネット接続を行うための回線も別途必要になる。
だからといって、日本との拠点間通信に安価なインターネットVPNを用いると、今度は通信品質が安定しない。
Cato Cloudなら、この両者の“いいとこ取り”ができる。Cato Cloudの入口となるPoP(Point of Presence)は世界に40ヵ所以上配備されており、PoP間をつなぐグローバルバックボーンにより低遅延な通信が可能となる。なお、中国では上海と北京の2ヵ所にPoPが設置されており、ユーザは最寄りのPoPに自動的に接続される仕組みだ。
また、PoPからインターネットへ接続することも可能なため、ユーザは拠点とPoPをつなぐインターネット回線を1本用意すれば、拠点間通信とインターネット接続の両方の用途に使える。
もう1つ特筆すべき点として、Cato Cloudでは、セキュリティ機能も提供している。トラフィックがPoPを経由する際に、次世代ファイアウォールやIPS、アンチマルウェア等のセキュリティ機能を使うことができるのだ。そのため、これまで拠点内に設置・運用していたUTM等のセキュリティアプライアンスも不要になる。さらにPoPを経由するトラフィックの可視化も行え、海外拠点の通信状況を容易に把握できる。
このように、一般的なIP-VPNを使う場合に比べて回線全体のコストを下げながら低遅延なネットワークが利用できるうえ、さらにセキュリティ機器の運用の簡略化とコスト削減にも効き目がある。こうした多様なメリットを持つことが、ユーザ企業からの高い評価につながっていると伊藤氏は話す。
なお、Cato Cloudは拠点からの通信だけでなく、オフィスの外で働く社員や、出張中の社員のモバイル端末からも利用できる。中国を含め、海外で安定的かつ安全なリモートアクセス環境を使いたい企業にとっても非常に有用なサービスといえるだろう。
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