(右から)NECマグナスコミュニケーションズ ネットワーク事業部 営業部の川島香織氏、同主任の太田雅夫氏
1995年の開始から20年余り──。PHSは、2020年7月末にテレメタリングプランを除くすべてのサービスを終了する。
コンシューマー市場では近年すっかり携帯電話の陰に隠れていたが、法人市場では低コストや低消費電力、導入の容易さから、モノとモノの通信で根強い支持を集めている。そのテレメタリングについても2019年3月末に新規受付を終了するため、遠くない時期にサービスが終了することは確実だ。このため、遠隔監視などにPHSを活用している企業は今、マイグレーション策に頭を悩ませている。その“救世主”となりうるのが、10月24日に発売されたNECマグナスコミュニケーションズの音声対応LTEルータ「uM320V」だ。
uM320Vはアナログ音声信号をIPに変換し、LTEでの通信を可能にする。バッテリーを搭載し停電時の通信にも対応している。
銀行やコンビニのATM、ビルやマンションのエレベーター、コインパーキングに設置されている緊急用呼び出し電話の多くは、PHSの回線交換で音声通信が行われている。
通常、これらのシステムをIP化しようとすると、電話設備やセンター設備も一新する必要がある。しかし、設備の更改からまだ日が浅かったり、コスト削減の観点から限界まで既存設備を使い続けようとする企業も多く、移行はなかなか進んでいない。
「uM320Vなら、既存の設備に変更を加えることなく、LTEへのマイグレーションを実現できます」とNECマグナスコミュニケーションズ ネットワーク事業部 営業部の川島香織氏は説明する。
同社は、PHSを使った遠隔監視の分野で高いシェアを持ち、コインパーキングの精算機のようにシリアル通信インターフェースからPHSを経由するシステム向けには、LTEアダプター「uM70L」を提供している。今回uM320Vが加わったことで、PHSからの移行を加速させたい考えだ。
図表 「uM320V」を利用したPHSマイグレーションのイメージ
uM320Vは、ISDNからLTEへの移行にも活用できる。「ISDNサービス終了への対策としてはもちろん、回線費用の比較対象としてもお客様の選択肢を増やしたい」とネットワーク事業部 営業部 主任の太田雅夫氏は話す。uM320Vでレガシー設備の更新の負担を抑え、アナログ回線のマイグレーション促進を狙う。
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