IIJグローバルソリューションズ
マーケティング本部
戦略企画推進部
シニアコンサルタント
村上秀夫氏
中国に進出する企業にとって、現地拠点と日本側のシステムを連携させるネットワークは、ビジネスを進めるための「生命線」だ。だが、中国の通信環境はさまざまな課題を抱えている。回線速度や安定性といった品質面の課題に加えて、近年では中国政府の政策によって左右されるのが実情だ。
特にVPNについては、2018年4月以降、中国政府の認可を受けていないVPNの利用が禁止された。高価な専用線の代わりにIP-VPNやインターネットVPNを使って現地拠点と接続したり、クラウドサービスを活用してきた日本企業にとっては死活問題だ。IIJグローバルソリューションズにも「VPN接続がたびたび途切れて仕事にならない」といった相談が寄せられているという。
こうした課題を解決する安定的な越境通信を実現するため、IIJグローバルは2つの選択肢を用意し、中国進出する日本企業を支援しようとしている。
1つはCITIC Telecom CPCが提供するIP-VPNサービスだ。CITIC Telecom CPCは政府系CITICグループの通信事業者で、この3月に設立された「越境通信に関する中国産業連合」の主要メンバーでもあり、現地の事情や法制度に明るい。
また、通信品質の面でも安心できる材料を揃えている。中国国内で「自営」のPoPを38ヵ所も有しており、上海、北京、成都、広州等の大都市には複数のPoPがある。都市内でPoP冗長を提供できる強みがあり、現地にエンジニアがいる都市が多いため、サポートが手厚い。「回線開通時の作業だけでなく運用面も自ら行っており、品質が高い」とIIJグローバルの村上秀夫氏は話す。高い品質や安定性が求められる基幹システムに最適なIP-VPNを提供する。
もう1つは、Cato Networksが提供する「Cato Cloud」で、柔軟かつスピーディに通信を利用したい企業向けのサービスだ。こちらも中国最大のプロバイダーと提携しており、モバイルやクラウドを柔軟かつ安全に利用できる。
Cato Cloudではインターネット接続に加えて、ファイアウォールやフィルタリング等のセキュリティ機能も提供される。中国にこうしたセキュリティ機器を個別に持ち込み運用するには非常に面倒な手続きが必要だが、Cato Cloudなら、そうした負荷も削減できる。
今やあらゆる企業が、従来から築き上げてきた「SoR(System of Record)」を生かしつつ、顧客接点となる「SoE(System of Engagement)」をスピーディに構築し、連携させ、新たな付加価値作りに取り組んでいる。CITICテレコムのIP-VPNとCato Cloudは、この異なるニーズのどちらにも合致する。
図表 Cato Cloudのサービスイメージ
※ Cato Networks製品の日本国内代理店はマクニカネットワークス
おそらく今後も、中国の通信環境と法規制は変化していくだろう。「将来を見据えて変化に対応する上でも、現地の事情に精通し、しっかりした『バックボーン』を持つ通信事業者をパートナーに持つことは重要だ」と村上氏。IIJグローバルはこうしたパートナーとともに中国進出企業を支援していく。
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