ノキア
IP/Opticalネットワークス
IPルーティング
本部長
鹿志村康生氏
高精細ビデオやIoT、AIなど、我々の暮らしにイノベーションをもたらすアプリ/サービスが普及し始めている。
一方で、それらが生み出す新需要は、ネットワークインフラとそれを運用する事業者にも変革を迫ることになる。ネットワークにつながる端末とトラフィック量の増加は留まるところを知らず、かつてないレベルの容量と効率性、スケーラビリティを持ったネットワークを再構築しなければならない。
また、セキュリティ脅威への対応も大きなチャレンジだ。5G/IoT時代には、自動運転や遠隔医療といった厳格なセキュリティが要求される領域でネットワークが活用されるようになる。防御力も格段の進歩が必要だ。
これらの壁をどう打ち破るのか。その答えを示したのがノキアだ。
同社は6月に、通信キャリア/SP向けルーターの新モデル「7750SR-s」シリーズを発表した。IPルーティング本部長を務める鹿志村康生氏は「他社と比較しても類をみないポート密度を実現した」とその特長を語る。ハイエンドモデル「SR-14s」(下写真)は115.2Tbpsのスイッチング能力を有し、100GbEを1440ポート収容可能だ。コンパクトな筐体の「SR-1s」(2RU)、「SR-2s」(4RU)もそれぞれ100GbEを96、192ポート収容できる高いポート密度を実現している。
高密度の理由は、7750SR-sに搭載する第4世代チップセット「FP4」にある。
前世代の400Gbpsから一気に6倍まで性能を引き上げ、1チップで2.4Tbpsという脅威の転送性能を実現した。また、競合他社のチップではフィルタリング等の機能を有効にするとフォワーディング能力が損なわれるのに対し、FP4は「どんな機能をONにしても性能が落ちない」。常に一定の能力を発揮し続ける「妥協のないパフォーマンス」を持つ新世代チップセットだ。
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最大144Tbpsの構成をサポートする「7750SR-14s」 |
ノキアの第4世代チップセット「FP4」は前世代の6倍の転送性能を実現した |
FP4のスゴさはそれだけではない。
2つめの特長は、プログラマブルであることだ。チップ内のプログラムを書き換え、機能を変更・追加することができる。トラフィックの挙動変化に応じてポリシーをダイナミックに変えるといった柔軟な運用が可能になる。
これからのネットワークには、こうした「適応力」も不可欠だ。デバイスとアプリが多様化するに伴って、トラフィックの種類や挙動が複雑化するためだ。鹿志村氏によれば、トラフィック監視・解析ソリューションやSDNを組み合わせることにより、ネットワーク運用を自動化することも可能になるという。
特筆すべき点は、もう1つある。
これまではルーターとは別のアプライアンスで実装してきたDDoS対策機能をチップレベルで実装できることだ。
通常のDDoS対策では、トラフィックを一旦、フィルタリング専用のアプライアンスに転送する必要がある。だが、7750SR-sなら、攻撃パケットを識別するシグネチャをFP4に送り込み、ルーター内でフィルタリングを完結させることができる。余計なコストをかけず、シンプルにDDoS対策が行えるのだ。
こうした特長を持つ7750SR-sは今後、キャリア網の様々な箇所で活用されていくだろう。中でも期待されるのが、目覚ましい勢いでトラフィックが急増しているクラウド/データセンター間接続(DCI)の領域だ。帯域の逼迫、運用負荷の増大、そしてセキュリティといったDCIの課題解決に貢献することは間違いない。
お問い合わせ先 |
ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社 TEL:03-5474-6400 E-mail:info_support.japan@nokia.com URL:https://networks.nokia.com/jp/solutions/ip-networks-reimagined |