(左から)NECプラットフォームズ営業推進本部 オフィス営業推進部長の岩渕道哉氏、NECスマートネットワーク事業部マネージャーの若杉和徳氏
NECは、IPテレフォニー製品のラインナップに中大容量IP-PBX「UNIVERGE SV9500」、小容量IP-PBX「UNIVERGE SV9300」、キーテレフォン「UNIVERGE Aspire UX(以下、Aspire UX)」の3製品を取り揃えている。
いずれの製品も、安定した基本性能に加えて、ユーザー企業や販売店の様々なニーズを反映するため定期的な機能強化を行っており、それがシェア拡大につながっている。
3製品の中で特に勢いのある製品がAspire UXで、出荷台数も右肩上がりに伸びている。
Aspire UXが支持を集めているのには、いくつかの理由がある。第1に、オフィスにおける効率的なコミュニケーションの実現に必要不可欠な電話機能を備えていることに加えて、様々なソリューションに対応していることだ。
日本企業の固有のニーズに応える多彩な機能をはじめ、UTMやセキュリティセンサー、簡易なCTIコールセンターなど各種ソリューションとの連携、携帯電話内線化ソリューションなどに対応する。
第2に、Unified Communication(UC)を手軽に体験できる「エントリーUC」の提案が、他社製品との差異化につながっていることだ。
Aspire UXの環境下であれば、UCツール「デスクトップコミュニケータUC100」をインストールするだけでPCの画面上にプレゼンス(在席状態)が表示され、電話やチャット、メールなどのUC機能が利用できる。別途サーバー構築の必要がない「サーバーレス」でコストが抑えられるので、Aspire UXが対象とする中小オフィスでも負担なく簡単にUCを導入することが可能だ。
また、WebRTC技術の活用により、PCに手持ちのマイクやカメラを接続するだけで最大8者までのWeb会議を始められる「クイックビデオリンク」も提供しており、UC100との連携で会議の開始・参加が簡単に行える。
「Aspire UXは、ビジネスフォンクラスでワンボックスによるUCを実現している他にはない製品です」とNECプラットフォームズ営業推進本部 オフィス営業推進部長の岩渕道哉氏は強く主張する。
実際、UCやWeb会議といった電話以外の機能を目的として、Aspire UXを導入する中小オフィスが増えているという。
図表1 NECの音声プラットフォーム製品群の概要
さまざまな領域でクラウド化が進むなか、PBXの世界でも大企業を中心にクラウドニーズが高まっている。最近は「Microsoft Office 365」など情報系のクラウドサービスを採用する企業が規模を問わず増えており、併せて音声のクラウド化も検討する傾向にある。
自社でサーバーなどの設備を持たないクラウドのメリットは、運用の負荷を軽減できることだ。しかし、「日本特有の代表電話制に見られるグループ単位での職場運営には、クラウドPBXの機能では対応しきれない場合もある。特に中小オフィスユーザーには細かな運用ニーズがあり、その点でもAspire UXは評価されています」とNECスマートネットワーク事業部マネージャーの若杉和徳氏は説明する。
とはいえ、コミュニケーション領域の多様なニーズに対応する方針のNECにとって、クラウドニーズの高まりは見逃せないものがある。そこでオンプレのPBX/ビジネスフォンと、クラウドサービス「UNIVERGE Live」を連携する「ハイブリッド型クラウド提案」を行っている。
UNIVERGE Liveには社内外でスマートフォンをモバイル内線端末として利用できる「UNIVERGE どこでも内線サービス」、携帯電話やスマートフォンから安全にメール等の確認が可能な「UNIVERGE どこでもアクセスサービス」などのメニューが揃っている。
今年8月に開始した「UNIVERGEクラウド音声サービス」は、主装置をクラウドで運用するクラウドPBX。初期コストを抑えられるほか、既存の電話システムで使っているUNIVERGEの資産を活かしながら、最新の電話機能も利用できる。
国を挙げて「働き方改革」の取り組みが本格化するなか、NECではモバイルの利活用により、時間や場所に関係なく自らのタイミングに合った柔軟な働き方を支援する「モバイルワークソリューション」を提供している。ラインナップは企業規模に合わせて、エンタープライズ向けとSMB向けの2種類がある。
このうちエンタープライズ向けは、UNIVERGE LiveをはじめNECのサービスやシステムを連携させることで、企業の多様な要望に応えつつ高機能なソリューションを実現する。他方、SMB向けについては、UC100やクイックビデオリンクなどAspire UXの標準機能の活用により、エンタープライズ向けと同等の機能を提供することができる。
「働き方改革やテレワークというだけで、中小オフィスは大上段に構えてしまいがち。Aspire UXを導入することで働き方改革を実現できるというご提案をしています」と岩渕氏は述べる。中小オフィス向けの販売を担う通信系販売店にとっても、オールインワンにパッケージ化されているモバイルワークソリューションは、高度なスキルや大がかりなSIが不要な点が好評だという。
図表2 SMB向け働き方改革の提案
NECはUNIVERGE SV9000シリーズ/Aspire UXでPBX/ビジネスフォンとしての基本機能は押さえながら、さらなる付加価値として先進技術の活用にも積極的に取り組んでいる。
一例が人工知能(AI)で、今年10月にリリースした「NEC自動応答」は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである「テキスト含意認識技術」を使い、チャットの自動応答(チャットボット)の実現や、コンタクトセンターなどにおける問い合わせに対し、迅速・的確な回答を支援する。
テキスト含意認識は、単語の重要性・意味的な一致、品詞等の文構造を考慮し、2つの文が同じ意味を含むかどうかを高速かつ高精度に判定するNECの独自技術。米国国立標準技術研究所(NIST)主催のコンテストで世界第1位を獲得した実績を持つ。
これまでのキーワード検索では適切な情報を見つけ出せなかったが、同技術の活用により、オペレーターのスキルに関係なく膨大なFAQデータの中から最適な回答を導きだせる。コンタクトセンターのほか、社内ヘルプデスク業務などでの活用も想定している。
さらに、テキスト含意認識技術と「Microsoft Skype for Business(以下、SfB)」を連携させ、SfBのチャット機能を用いて質問した内容をチャットボットが回答する「Skype for Businessコネクタ機能」も提供する。働き方改革の実現にAIの果たす役割は大きいだけに、NECとしても取り組みを強化する計画だ。
またIoTについては、PBX/ビジネスフォンをIoTのエッジサーバーと位置付け、センサーなどからデータを収集・蓄積し、クラウドと連携させる。例えば、ネットワークカメラの映像を基に顔認証技術で不審者やVIP顧客を特定し、PBX/ビジネスフォンを使って担当者などに通知するといった使い方が考えられるという。
PBX/ビジネスフォンは技術的に大きな変化がなく、どれを選んでも同じに見えるかもしれない。しかしUNIVERGE SV9000シリーズ/Aspire UXなら、付加価値の高いコミュニケーション環境を実現することができる。
お問い合わせ先 |
NEC (UNIVERGE SV9000シリーズについて) (UNIVERGE Aspire UXについて) |