Dell EMC Isilon──スケールアウトNAS 大容量化するビデオ監視システムのデータ保存に最適 ペタバイトクラスも「大きなバケツ」で一括管理

ビデオ監視システムの世界では、ますます大容量のストレージが求められるようになっている。1つのビデオ監視システムに収容するカメラ台数の大規模化や、カメラ映像の高解像度・高精細化、映像データの長期保存ニーズの高まりなどが背景にある。TB(テラバイト)、PB(ペタバイト)クラスの容量が必要なケースも今や当たり前だ。Dell EMCのスケールアウトNAS製品「Dell EMC Isilon」は、このように大容量化が進むビデオ監視システムに最適なストレージ。優れた拡張性と運用性により、管理者に負担をかけることなく大容量化に対応できる。

 セキュリティ意識が高まるなか、監視カメラがさまざまな場所に設置されるようになっている。オフィスビルや商業施設、街中などで見上げたとき、カメラの存在に気付く機会は以前と比べて格段に増えた。最近は、交差点の渋滞緩和等の公共分野、工場における生産ライン管理や食品トレーサビリティの確保等の産業分野での活用も広がっている。

 また、ドローンや人間、パトカーなど、「動くもの」に監視カメラを装着する取り組みも始まっている。例えば、米国の警察で普及が進んでいるのが「ボディカメラ」だ。州によっては数百人いる警察官全員に装着を義務付けているところもある。警察官の勤務中の様子を身体に取り付けたカメラで克明に撮影・記録することで、捜査や訴訟の証拠能力が向上するなどの成果が現れているという。

 監視カメラの重要性はますます高まるばかりだが、こうしたなか、ビデオ監視システムには次の3つの変化が起きている。1つ目は、システムの大規模化だ。監視カメラの設置場所・設置台数が増加し、1つのビデオ監視システムに収容するカメラの数も増加している。2つ目は、カメラ映像の高解像度化・高精細化だ。監視カメラの映像は、事件や事故の証拠としても使用されるようになっていることから、できるだけ鮮明な映像による記録が求められてきている。3つ目は、保存期間の長期化だ。事件・事故の証拠として使う場合はもちろん、映像を解析してマーケティングなどに活用する際においても、なるべく長期間保存したいというニーズが高まっている。

 では、これら3つのトレンドがビデオ監視システムに突き付けている課題とは何か。それはもちろん、保存する映像データの大容量化である。例えば100台の監視カメラで撮影した10メガピクセル・15fps(平均フレームサイズ180KB時)のデータを60日間保存すると、そのデータ容量は1.4PB(1PB=1024TB)にもなる(図表1)。どんどん大容量化していく監視カメラのデータをいかに効率よく保存・管理するかが、ビデオ監視システムにとって最重要課題の1つとなっているのだ。

図表1 解像度、フレーム設定、保持期間とストレージ容量の関係

図表1 解像度、フレーム設定、保持期間とストレージ容量の関係
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 TBやPBクラスの大容量データが当たり前になったことで、従来のNVR(ネットワークビデオレコーダー)では管理に負荷がかかりすぎたり、容量が不足するなどの課題が生まれている。

 そこで、大規模システムや拠点ごとの分散配置にも適したVMS(ビデオマネージメントソフトウェア)を導入する企業が増えているが、よりシンプルかつ安定的に運用するためにはNASとの連携も重要となる。しかし、従来型のNAS製品には拡張性に乏しいという欠点があった。

 こうした課題を解決してくれるのがスケールアウトNASであり、その代表的な製品がDell EMCの「Isilon(アイシロン)シリーズ」だ。

わずか60秒で増設作業が完了 耐障害性に優れ過剰な投資を抑制


 Isilonは、NASコントローラとディスクが一体化しており、筐体(ノード)にCPUやネットワーク、ディスク、メモリなどのハードウェアと、ファイルシステムなどのソフトウェアをまとめて搭載する(図表2)。

図表2 Dell EMCアイシロン スケールアウトNAS アーキテクチャ

図表2 Dell EMCアイシロン スケールアウトNAS アーキテクチャ
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 導入時は最小3台(16.2TB~)のノードでクラスターを構成すれば、すべてのノードがコントローラーとしてふるまう仕組みだ。

 これは、独自の分散ファイルシステム「OneFS」がRAID(データ保護レイヤ)、ボリュームマネージャ、ファイルシステムの3つのレイヤを1つのソフトウェア層に統合し、ストレージエリアを分けることなく1つのファイルシステムとして扱うことで実現している。いわば、「大きなバケツ」にデータを貯めていくイメージと言ったらわかりやすいだろう。

 監視カメラの台数が増えて容量が不足した場合も、ノードを追加するだけで自動的に性能と容量の両方が拡張される。

 一般的なNASは、NASコントローラで筐体のディスクへのアクセスを制御しており、容量が増えるに従ってアクセスのトラフィックが増大し、コントローラの処理能力を超えるとパフォーマンスが低下する。このため、処理能力の高いコントローラに置き換えなければならず、手間やコストがかかってしまう(図表3)。その点、Isilonは容量を増やすと同時にコントローラも増えるので、アクセスを分散させることができ、パフォーマンスの低下を防ぐ。

図表3 従来のストレージを導入した場合のシステム構成イメージ

図表3 従来のストレージを導入した場合のシステム構成イメージ
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 Isilonは増設にかかる作業も一般的なNASと比べて非常に容易に行える(図表4)。新しいノードを接続してボタンを押すだけで、ボリュームの再設計やRAIDの設定などは一切不要。1ノードの追加作業は、システムを止めることなくわずか60秒で完了する。

図表4 アイシロンを導入した場合のシステム構成イメージ

図表4 アイシロンを導入した場合のシステム構成イメージ
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 容量を追加した後はクラスター内のデータが自動的に分割・再配置され、ノード数に合わせて最適化されるので、データを偏りなく均一に配置できるにようになっている。データの平準化により、平均80%ものストレージリソースを利用できる(一般的なNASは50~60%)という。

 Isilonは、最大4つの筐体で同時に障害が発生しても動き続ける高い可用性も特長だ。VMSのサーバー上で障害が発生した場合も、映像データを逃すための領域を追加しなくてもデータを保護することができる。管理者はデータの復旧作業などの手間を省くことが可能だ。

 「効率的な運用によって負荷が軽減される分、管理者はストレージ以外の監視業務や、カメラやサーバーの保全に時間を割けるようになります」とEMCジャパン株式会社アイシロン事業本部 事業推進部シニア市場開発担当マネージャーの吉武茂氏は話す。耐障害性に優れているため、障害時対策として余分なスペックが不要になり、過剰な投資も抑えられるという。

累計100万台の監視カメラに接続実績 デルとの経営統合メリットも


 監視カメラはIP化に伴い、アナログシステムでつきものだった映像の解像度や伝送距離の制限がなくなり、柔軟なシステム構築が可能になった。その結果、カメラメーカーによる垂直統合型から、カメラ本体やソフトウェア、ネットワーク、ストレージなど領域ごとに異なるベンダーを自由に組み合わせる水平分業型(マルチベンダー化)へとビジネスモデルも変化している。

 Dell EMCは、エンタープライズ向け監視システム・ストレージ市場で日立製作所や富士通を抑えてシェア1位を獲得(2015年、HIS社調べ)したことからもわかるように、もともと200~1000台程度の大規模向けストレージ分野を得意としてきた。なかでもIsilonは、これまでに100万台の監視カメラと接続し、160PB以上の監視データを格納した実績を持つ(いずれも累計)。

 Dell EMCではアクシスコミュニケーションズやジェネテックなどIP監視カメラベンダーやVMSベンダーなどとの協業により、各領域のトップベンダーの製品とIsilonを組み合わせ「ビデオ監視ソリューション」として提供する体制を構築している。

 2015年10月には米デルと経営統合したことで、ビデオ監視システムについては、ネットワークやセキュリティ、データ保護、ストレージ、モニターなど、監視カメラ本体と分析用ソフトウェアを除く一連の機能について小規模から大規模まで幅広く提供することが可能になった。

 「データサイエンティストによる映像データの解析・活用に関するコンサルティングも含めて、導入企業が自社に必要なものを自由に選ぶことができるのは、我々の強みです」と吉武氏は胸を張る。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、首都圏や観光地では宿泊施設や商業施設の建設ラッシュが始まっている。海外から日本を訪れる人が今後さらに増える中で、監視カメラの大規模導入の需要はますます高まることが予想される。国内でもIsilonが活躍する場面が増えることは確実だろう。

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