パナソニック システムネットワークスは、1950年代からアナログのCCTV(Closed-circuit Television)と呼ばれる現在の監視・防犯カメラシステムにつながる製品を提供し続けてきた。
「監視・防犯システムは、監視・防犯用の場合、照明や明かりの具合が変化しても、本来の衣服の色や肌の色が正確に伝わることがテレビ放送などとの大きな違いです」。パナソニック システムネットワークス・セキュリティシステム事業部の寺内宏之氏はこう話す。
特に人の顔がきちんと把握できることが重要であり、暗くて色つぶれしたり、明るすぎて白飛びしたりしないことが要求される。どのような環境にあっても、きちんと顔の撮影ができることが絶対条件となる。自然さには欠けるかもしれないが、対象物が持つもともとの色合いや人の顔を忠実に伝えることが重要なのだ。
パナソニック システムネットワークスでは、屋内設置型や屋外設置型、ボックス型、ドーム型、全方位型、PT(パンチルト)型、PTZ(パンチルトズーム)型など、多彩なネットワークカメラのラインナップを揃えている。価格も3万円台から60万円台までと豊富なバリエーションを揃え、顧客の要望に対応する(写真1)。
中小規模から大規模まで充実したラインナップのネットワークカメラ(写真1)
同社のネットワークカメラの特長の1つとして、ダイナミックレンジ133dBの「ENHANCED スーパーダイナミック」機能が挙げられる。シャッタースピードの異なる画像を合成することで、照度差の大きい被写体でも、画素単位で明るさを補正し、より自然な画像で撮影できる。写真2と写真3を比べてみればわかるように、明暗差が大きくても同一画面内の明るい場所から暗い場所まではっきりと撮影することができる。
ENHANCED スーパーダイナミックOFF(写真2)、ON(写真3)
「高感度MOSセンサー」と「新ノイズリダクション」を利用することで、暗い場所でも見やすい画像も実現する。最大毎秒60フレームの映像配信によって、より滑らかな動画再生とわずかな画像の変化にも対応している。
赤外線照明(IR LED)搭載型では、独自照射により、0ルクス環境でも広い範囲に赤外線を照射し、近すぎる被写体でも白飛びを抑制できる。
屋外ドーム型の多くでは耐衝撃性を向上させ、いたずらや飛来物への耐性を向上させている。また、カメラ内部の湿気を電気分解し、除去するデバイス(素子)である「除湿素子」を採用。カメラ内部にわずかに侵入した湿気も除湿素子による電気分解で外部に放出するため、ドームカバーの内部やレンズはクリアで長期の安定動作を維持できる。
親水コートの屋外カメラでは、降雨や霧などに伴うドームカバーへの水滴による視認性低下を改善し、乾燥後の残滓による防汚性も改善している(写真4)。
屋外カメラは親水コートにより、水滴による視認性低下や乾燥後の防汚性も改善する(写真4)
こうした機能を備えることで、24時間365日の稼働を求められる監視・防犯カメラシステムにおいて、撮影などに関わるさまざまなリスクに対応。耐久性を高めることで着実な撮影を行うとともに、長期的な設備コストの低減にも貢献する。
最近では4Kネットワークカメラの提供も始めた。解像度が高くなることにより1台のカメラで撮影できる範囲が広がり、カメラの台数を減らすことができるため、結果的に設備コストを抑えることにもつながるという。
パナソニック システムネットワークスは、今後も4KやフルHDといった高解像度のネットワークカメラのラインナップを増やしていく方針だ。
レコーダーには業務用SDメモリーカード記録とPoE給電機能を搭載。屋外記録に対応するネットワークSDカードレコーダーと、使いやすいネットワークディスクレコーダーの利用が可能だ。カメラ最大64台、HDD最大216TBのシステム構築が可能なハイエンドレコーダーなど、豊富な製品を用意している。
SDカードを利用するメリットについて、「ネットワークは昼休みの時間帯などになるとスピードが落ちることがありますが、ローカルに記録する場合はそういったことに影響されないで済みます。パナソニックでは、耐久性とデータの信頼性に優れた業務用SDカードを用意しています」と寺内氏は説明する。
手軽にマネジメントにも活用できる「ビジネスインテリジェンス拡張キット」を利用することも可能だ。
「顔照合機能」を追加すれば、事前に登録した人物の顔画面とライブ画像内の顔画面を比較し、似ている人物を検出する機能が利用できる。検出されたときはアラームで通知する仕組みだ。要注意人物や、以前に万引きを働いた人物など、再犯のリスクがある人物をリアルタイムで照合できるという。
また、「統計処理機能」を追加すれば、顔検出した人数をカウントし、1時間または1日単位で男女別、年代別にグラフ化される(写真5)。年代の分布は色分けで表示され、結果はCSVファイル形式でSDカードあるいはネットワーク経由で接続したPCに保存することができる。ネットワークカメラは監視・防犯目的だけでなく、マーケティングや店舗の売上拡大のためにも利用されるようになっているのだ。
レコーダーで簡単にBIを実現できることはパナソニック システムネットワークスの強みの1つであり、大規模なシステムになった場合も、トータルでコストを軽減できるものを用意している。
なお、レコーダーと合わせて4Kネットワークカメラなどを利用すれば、個人の特定だけでなく、その人物のより詳細な特徴もつかむことができるという。
PCソフトでは、ハイエンドレコーダーを組み合わせて最大3万2000台までのカメラを統合管理できる。システムコントローラーやマップモニター、悪天候や照度不足などを補う画像鮮明化ソフト、顔照合や性別判定、人数カウントなどの要求にも対応する。
また、スマートフォン用アプリも無償で提供している。3G/4G/LTEなどの回線や無線LANに接続することで、ネットワークカメラとレコーダーのライブ映像や再生映像を閲覧できる。
周辺機器として、アナログカメラとのシステムアップや同軸ケーブルによる配線ソリューションに対応した同軸-LANコンバーター、カメラとレコーダーをコントロールするシステムコントローラー、高精細画像による効率的な監視を可能にするネットワークビデオデコーダーなども展開している。
ネットワークカメラは常時監視するケースはほとんどなく、何か問題が発生したときに初めて画像データをさかのぼって閲覧する。そのため、監視・防犯システムは24時間365日トラブルなく動き続けなければならない。監視・防犯システムには安定して稼働し、耐久性が高いことが要求されるのだ。パナソニック システムネットワークスでは常時稼働する信頼性を高め、リスクに対応できることを設計の方針としている。
長時間稼働することは、ハードディスクなどの消耗品を適切に交換しておけば、知らない間にシステムが停止して肝心なときに記録できていないなどのリスクを減らし、長期間利用できるということ。監視・防犯システムを安価というだけの理由で選択するよりも、壊れにくく、安定稼働するものを選ぶ方が結果的にトクということになる。
国内市場でトップシェアを誇るパナソニック システムネットワークスの監視・防犯システムは、映像セキュリティのワンストップソリューションを提供し、多様化するユーザーニーズに応えている。
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