日商エレクトロニクス ネットワーク&セキュリティ事業本部ネットワーク事業部第三課の上野駿介氏(右)とジェイズ・コミュニケーション 事業推進本部マーケティング部の吉野直輝氏
近年、日本でも「標的型攻撃」などのサイバーテロが相次いでいる。その多くが公的機関や大企業の情報窃取を目的としたものだが、最近は、子会社や取引先などの中小企業を「踏み台」にされたり、中小企業自体が攻撃対象となるケースも増えている。
もはや中小企業もサイバーセキュリティ対策を他人事として片づけられなくなっているが、大企業と比べると人材や予算を十分確保できないことが課題だ。そこで、より効率的な運用管理を実現できる製品選びが必須となる。
そうしたニーズに応える製品の1つに、ジュニパーネットワークスから今年春に発売された次世代ファイアウォール(FW)「SRX300シリーズ」がある。
SRXは、FWやIPS(侵入防御システム)、アンチウィルス、Webフィルタリングなどのセキュリティ機能に加え、ルーティング機能や管理機能、アプリケーションの識別・制御機能などを統合的に提供する製品。幅広い規模に対応しており、新たにリリースされたSRX300シリーズはSOHO~中小企業、支店など小規模拠点を対象とする。
SRX300シリーズの特長として、第1に、ジュニパーネットワークスの独自OS「Junos OS」に対応していることが挙げられる。イーサネットスイッチ「EXシリーズ」や3Dユニバーサルエッジルータ「MXシリーズ」といった他のジュニパー製品にも同OSが搭載されているため親和性が非常に高く、一括して導入すれば運用管理の負荷やコストの削減を実現できる。
第2の特長は、新たな機能の追加により、セキュリティ強度をさらに高められることだ。
その1つが「Sky Advanced Threat Prevention(SkyATP)」と呼ばれるクラウド型サンドボックスで、ダウンロードファイルとアプリケーションの中から疑わしいものをクラウド上に送ってスクリーニングするため、シグネチャでは検知できない新種のマルウェアなど未知の脅威にも対応することが可能になる※。
※年内実装予定
もう1つがSRXシリーズの管理ソリューション製品「Junos Space Security Director」で、SRXシリーズのセキュリティポリシーを一元管理することでネットワーク全体のポリシーの一貫性や精度を向上し、効率的な運用管理を実現する。全国各地の複数拠点(店舗)にSRXを導入しているような場合に有効活用できるという。
ジュニパーネットワークスはもともと通信キャリア向けルータを主力としていたが、2004年にNetScreen Technologies社の買収によりセキュリティ事業に参入した。
SRXシリーズの旧モデル「SSGシリーズ」は同社の製品を引き継いだもので、高い安定性や信頼性、ScreenOSによる優れた操作性から幅広い企業の支持を集めてきた。
しかし07年に最終モデルが発売され、今年1月には全製品の販売を終えた。ソフトウェア/ハードウェアのサポートも21年1月にすべて終了する予定だ。
SRXシリーズは、SSGシリーズの機能をほぼ踏襲しているうえ、SSGシリーズのインターフェースによく似たGUIがオープンソースツール(CW4S)として提供されているので、SSGシリーズの機能の運用や継承をスムーズに行える。両シリーズはOSが異なるとはいえ、同じジュニパー製品であり設計思想が同じため、移行時にネットワーク全体を見直す必要がなく最低限の変更で済むというメリットもある。
また、SRX300シリーズは「SRX100」「SRX210/220/240」からのモデルチェンジの際、バグ修正サイクルの短縮、GUIやファイルシステムの改善を行っており、SSGシリーズ以上の安定性および高スループットを確保しているという。
これらの理由により、ジュニパーネットワークスではSSGシリーズからSRXシリーズへのマイグレーションを推奨している。
「SRX300シリーズ」は、SSGシリーズや旧モデルのSRXシリーズと比べて安定性や高スループットを確保している
一般的にFW製品のリプレースのサイクルは平均5年程度といわれるが、製品の老朽化も考慮するとできるだけ早期のマイグレーションが望ましいことは言うまでもない。
しかし、専任のIT担当者を置いていないSOHOや中小企業では、自社で最新製品にリプレースしようとすると非常にハードルが高い。そこで旧製品からの移行、設定・構築、保守など一連の作業をサポートする専門業者の存在が不可欠となる。
例えば、ジュニパーネットワークスと日本で最初の販売代理店契約を締結した日商エレクトロニクスや、NetScreenから10年以上にわたりジュニパー製品の取り扱い、構築の実績があるジェイズ・コミュニケーションは、これまで培ってきたノウハウや知識、さらにはジュニパーネットワークスとの緊密なパートナーシップを活かしたサポート体制を提供している。
SRX300シリーズで両社は協業し、ジェイズ・コミュニケーションが一次店、日商エレクトロニクスが二次店となって販売を手掛ける。ジェイズ・コミュニケーションが在庫管理を行うことで、万が一、初期不良による交換が発生しても迅速に対応することが可能だ。このほか、ジュニパーネットワークスに対し折りに触れて品質改善の要望も出しており、日本企業が求める高品質に応えるようにしているという。
また、ジェイズ・コミュニケーションはハンズオントレーニングや、パートナーやエンドユーザー向けのセミナーを定期的に開催している。
「トレーニングでは実機を用意し、SIerや企業の情報システム担当者にSRXシリーズやJunos OSに対する理解を深めてもらうように努めている」とジェイズ・コミュニケーション事業推進本部マーケティング部の吉野直輝氏が話すように、こうした活動を通じて、SSGシリーズからSRXシリーズへのマイグレーションの促進を支援する狙いがある。
ジェイズ・コミュニケーションはトレーニングやセミナーの開催を通じて、SSGシリーズからSRXシリーズへのマイグレーションを支援している
他方、日商エレクトロニクスは08年11月、東京・豊洲東雲エリアに技術サポートセンター「NETFrontier Center(ネットフロンティアセンター)」を開設。総床面積約1550坪の建物で、ジュニパーネットワークス製品のサポートやトレーニング、検証支援を提供している。
ラボエリアにはルータやスイッチ、セキュリティなど30億円相当のジュニパー製品が揃っており、相互接続検証用のシスコシステムズなど他社製ルータやスイッチ、IXIAやSpirentなど最新の負荷試験装置も充実している。これらを使って導入環境を擬似的に構築し、導入前の事前検証を行うことができる。
日商エレクトロニクスの技術サポートセンター「NETFrontier Center」では最新機器を使って導入前検証を行うことができる
ネットワーク&セキュリティ事業本部ネットワーク事業部第三課の上野駿介氏は「SSGシリーズからのマイグレーションにあわせて、ルータやスイッチなどジュニパーネットワークス全体のシステム案件を支援できるのが我々の強み」と話す。
日商エレクトロニクスではSRX300シリーズのキャンペーンも予定しており、過去にSSGシリーズを販売したSIerやSSGシリーズを導入している通信キャリアのリプレースを喚起したい考えだ。
*Junos OSは、Juniper Networks Incの商標です
「Juniper SRX 300 シリーズ マイグレーション応援キャンペーン」
開催期間:2016年12月30日まで 詳しくはこちら
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