ワイヤレスジャパン/WTP2022/運輸・交通システムEXPOAIドラレコからドライブシミュレータまで 運輸・交通業界の悩みをICTで解消!

「ワイヤレスジャパン/WTP2022」の併設イベント「運輸・交通システムEXPO 2022」では、運輸・交通業界の悩みを解決するIT/通信ソリューションの数々が展示されている。米中でシェアNo.1の通信型AIドラレコ、“かもしれない運転”を繰り返し練習できるドライブシュミレーターなど、最新ソリューションを紹介しよう。

今や自家用車にも当たり前に搭載されるようになったドライブレコーダー。トラックやタクシーといった商用車では、車両の運行管理やドライバーの疲労・居眠りの検知など様々な目的で使われている。

そんな商用車向けドラレコにおいて、米国や中国でシェアNo.1を誇るのが中国の鋭明技術だ。2021年には日本市場にも参入しており、日本鋭明技術のブースではタクシー向けの通信型AIドラレコを展示していた。

忘れ物もAIが検知、欲しい機能だけ選んで導入
商用車向けのドラレコを手掛けるベンダーは多く、競争は熾烈だが、日本鋭明技術 CEOの立石圭太氏によれば、「Streamax」のブランド名で販売する同社製品は導入のしやすさから日本市場でも好評を博しているという。

複数のカメラを使って車内外の映像を撮影し、AIがそれを解析することでタクシーの営業中に起こる様々な課題を解決する。例えば、ドライバーを写した映像は居眠り検知に、後部座先の映像は忘れ物検知に使う。車両周辺の映像は、トラブル発生時の対処に役立つ。

車両前方(左上)、ドライバー(右上)、車両後方(左下)、後部座席(右下)の映像
車両前方(左上)、ドライバー(右上)、車両後方(左下)、後部座席(右下)の映像。
AIが後部座席に置き忘れられた紙袋を検知し、赤枠で表示している

こうした様々な機能を具備し、かつ、それらを部分的に導入したり、オプション機能として後から追加することが可能だ。「国内では、多機能で価格が高いドラレコが多いが、それでは大手事業者しか導入できない。当社の場合は忘れ物検知だけ、ドライバーのリスク検知だけといった『ここだけほしい』というお客様が多い」と立石氏は話す。

映像解析と判定はローカルで行うが、運行管理のデータや映像はLTE回線でクラウドへ送信。運行管理センターからリモートで監視することも可能だ。

タクシーの営業においては、乗降車時のトラブルや、乗客の忘れ物が悩みのタネとなっている。降車時に周辺車両や通行人とのトラブルが発生した場合、その対処にかかる時間は営業ができなくなる。ドラレコの映像をリモートからすぐに確認して対処できれば、そうした機会損失は減らせる。

忘れ物についても、その場ですぐに検知できれば、後に発見して客先に届ける際の無駄が省ける。事故防止だけでなく、営業の効率化や収益向上にもつながるソリューションなのだ。

トラック運転手から高齢者まで安全運転トレーニング
事故や違反の防止に貢献するITソリューションを展示していたのは、アイロック。同社のブースでは、ドライブシュミレーターを使って運転技術や運転マナーを向上させるためのトレーニングができる「Safety Driving Trainer」を試すことができる。

アイロックの「Safety Driving Trainer」。実車さながらのリアルな運転トレーニングが行える
アイロックの「Safety Driving Trainer」。実車さながらのリアルな運転トレーニングが行える

ハンドルやシートベルトに純正部品を使用しており、シートもクルマの挙動を再現。実車と同様の運転トレーニングが実施できる。トヨタ自動車の販売店にも、来客が最新の安全運転支援技術を体感するためのシミュ―レータとして導入されているという。

このシミュレーターに、日本交通安全教育普及協会が監修したソフトウェアを使用したのが、このトレーニングツールだ。トラック等の運転手に対して実車での講習を行う場合、従来は場所・日時の確保や移動、車両や指導員の手配、結果の集計などの負荷がかかるが、シミュレーターなら大幅に効率化することが可能だ。

トレーニングメニューも、「昼間・晴れ」「夕方・雨」「夜・雪」など様々なコンディションを再現したものが用意されており、自転車や歩行者の飛び出しをはじめ、様々な「ヒヤリハット」を体験しながら運転技術とマナーを繰り返し練習できる。

実施後は診断レポートを自動作成。課題が可視化されるうえ、従業員間で比較したり、半年後・1年後の技術・マナー向上を確認するといったことにも使える。

このSafety Driving Trainerは商用車の運転トレーニングのほか、最近では高齢者向けの運転講習や、医療機関で行うリハビリのためのツールとしても活用されているという。1日単位でのレンタルも可能なため、イベントでの利用も増えているそうだ。

 

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