企業ネットワーク最前線

「5GコアもMECもAzureに」 マイクロソフトが描く通信事業者のクラウドシフト

文◎坪田弘樹(編集部) 2022.04.14

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

米AT&Tは2021年に4G/5Gネットワーク基盤をAzure上へ移行すると発表し、現在マイクロソフトとともに移行準備を進めている。同時に、マイクロソフトはここで得た技術と知見を活かして通信事業者向けクラウド基盤「Azure for Operators」を拡充。新たな5GコアやMEC向け新ソリューションを発表した。


米国の大手通信事業者AT&Tが4G/5GコアネットワークをAzure上へ移管するという発表は、通信業界に驚きをもたらした。

モバイルコアはLTE時代から仮想化技術の導入が進み、多くの通信事業者がプライベートクラウドでLTEコアの運用を開始。5Gコアも同様の形態で運用されているが、2021年6月のこのニュースは、モバイルコアをクラウド事業者へアウトソースするという新たな流れを生み出すものとして注目を集めた。

AT&Tとマイクロソフトは現在、移行の準備を進めており、2023年からAT&Tの4G/5GネットワークをAzureの通信事業者向けクラウド基盤「Azure for Operators」に移行して運用を始める計画だ。

AT&TネットワークのAzure移行のイメージ
AT&TネットワークのAzure移行のイメージ


これにより、AT&Tはネットワークインフラの構築・運用をCAPEXモデルからOPEXモデルへと転換し、かつ、トラフィック量の変動に応じてスケールイン/スケールアウトが可能な柔軟な通信インフラを手にすることになる。

並行して、マイクロソフトは他の通信事業者にもこのプラットフォームを提供し、通信事業者向けビジネスを拡大しようとしている。

日本マイクロソフトが2022年4月13日に開催した記者説明会では、日本マイクロソフト 業務執行役員の石本尚史氏が「キャリアグレードのハイブリッド・ハイパースケールインフラを提供し、通信キャリアの変革を支援していきたい」と語り、Azure for Operatorsの最新状況を説明した。


日本マイクロソフト 業務執行役員 エンタープライズサービス事業本部 通信メディア営業統括本部長の石本尚史氏(左)と、 同本部 インダストリーアドバイザーの大友太一朗氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 エンタープライズサービス事業本部
通信メディア営業統括本部長の石本尚史氏(左)と、
同本部 インダストリーアドバイザーの大友太一朗氏

AT&Tのエンジニア、知的財産を引き継ぐ
Azure for Operatorsは、通信事業者がAzure上でネットワークを展開していくためのソリューション群の総称だ。


Azure for Operatorsの概要
Azure for Operatorsの概要


これに関連して、マイクロソフトは2020年に、仮想化/クラウドベースのネットワークソリューションを手掛けるAffirmed Networks、Metaswitch Networksを買収。さらに、AT&Tから得た技術・知見もAzure for Operatorsのソリューション開発に活かされることになる。

マイクロソフトはAT&Tが自社で構築・運用していたコアネットワーク基盤「AT&T Network Cloud」とともに、その運用に携わるエンジニアリングチームも含めて、丸ごと買収した。エンタープライズサービス事業本部 通信メディア営業統括本部 インダストリーアドバイザーの大友太一朗氏によれば「AT&Tの知的財産も含めて引き継いで」おり、同社から加わったエンジニアの人数は3桁にのぼるという。

このアセットを活用して、「キャリアが求める品質に応える」(石本氏)ハイブリッドクラウドプラットフォームサービスや、その上で運用される5G SAコア、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)向けソリューション等を新たに開発。今回の説明会では、次の4つの新ソリューションを紹介した。


Azure for Operatorsの新ソリューション
Azure for Operatorsの新ソリューション

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

スペシャルトピックスPR

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】WIRELESS SMART CITY

<Part1> ネットワークとともに進化する都市
<Part2> スマートシティネットワークの作り方
<Part3> 柏の葉に“Meta発”ミリ波無線の実験場
<Part4> スーパーシティ大阪 L5G広域利用の先行事例に
<Part5> ドローン「レベル4解禁」で変わる都市の物流
<Part6> ワイヤレス給電は都市をどう変えるか?

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

レッドハットインフラの自動化で34%の工数削減 レッドハットのネットワーク自動化2.0
人と人のコミュニケーションも効率化し、圧倒的な自動化を実現する。
i-PROセキュリティカメラの映像を遠隔監視 AI機能でマーケティングなどにも活用
幅広い用途に簡単、スピーディー、リーズナブルに対応するi-PRO Remo.
ジュニパーネットワークスWi-Fi 6E×AIで超効率ネットワーク 無線からWANまでクラウドシフト
ジュニパーはWi-Fi 6E時代に向けて、NW運用をAIとクラウドで効率化!
UniFiWi-Fi 6のライセンス費用がゼロに UniFiならコスパ抜群・簡単管理
圧倒的なコスパと手軽さで、オフィス、学校、工場、病院らが採用
日本マイクロソフト走り出した「5G網をAzureへ」計画
クラウド移行でキャリアは何を得るか

AT&Tの5GコアのAzure移行の狙いと進捗状況をマイクロソフトに聞いた。
ローデ・シュワルツ強みのミリ波技術で6G開発に貢献 1THz対応受信器もラインナップに
ローデ・シュワルツが得意のミリ波技術で6Gへの取組を強めている。

モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」<連載>NTTグループのプロフェッショナルたち
モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」<サイバーセキュリティ戦記>
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏

「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」
セイコーソリューションズISDNからインターネットへ スムーズな移行を可能にするには

ハードウェアを設置するだけ!ISDNからIP網への移行をフルサポート。

AirREAL-VOICE2簡単操作でマイグレーション実現
データ通信だけでなく通話・FAXも

アダプターの入替だけで移行が完了するMIの音声対応LTEルーター

NTTデータINSネットの後継ならお任せ!
移行で伝送時間短縮や負荷軽減

INSネットからの失敗しない移行方法をEB/FBの種類別に紹介しよう。

Wi-SUN AllianceWi-SUN認証デバイスが1億台突破
日本発の世界標準規格の普及加速

2.4Mbpsへの高速化など新たな進化も始まっている。

エヌビディアNTTとLINEが牽引する日本の自然言語処理、この2社がリーダーである理由

3月21日から開催の「NVIDIA GTC 2022 Spring」で知ろう!

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc202012

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます
当ウェブサイトはCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、プライバシーポリシーに同意したことになります。