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KDDI小野寺社長が全CATV事業者との戦略的パートナーシップを提案――JCTAトップセミナー

文◎藤田 健(編集部) 2010.11.16

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日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)は2010年11月16日と17日の2日間、東京・五反田のゆうぽうとで「平成22年度JCTAトップセミナー」を開催している。「放送通信融合時代のケーブルテレビ-完全デジタル化以降の戦略を探る-」というテーマを掲げ、初日はゲストスピーカーによる講演を実施した。

初日の目玉はKDDIの小野寺正社長兼会長で、「放送通信融合時代のケーブルテレビへの期待」というテーマで講演を行った。小野寺社長はまず、ケーブルテレビ(CATV)のホームパス世帯数が4400万世帯あり、NTTのFTTHとほぼ同じ世帯カバー率(90%)であることに触れ、「このカバー率が今後有効になる」と語った。

KDDIの小野寺正社長兼会長は、電電公社時代にCATVの実験に携わったことなどを明かし、「CATVには個人的にも少々思い入れがある」と語った


小野寺社長は、CATVの強みとして(1)優良顧客基盤、(2)ネットワーク資産、(3)地域力の3つを挙げた。(1)については、すでにCATV事業者が700万の有料多チャネル世帯を持っていることに言及。一例としてJ:COMの7726円に対してNTT東日本のフレッツ光が5740円の世帯ARPUであることを示し、「皆様方は高いARPUの優良顧客をすでに持っておられることが強み」と語った。(2)は前述のホームパス世帯のことで、全国約4900万世帯のうち90%の4402万世帯が申し込めばすぐにサービスを利用できる状態にあり、これだけのインフラをすでにCATV事業者が持っていることを強調した。(3)は、1955年に群馬県伊香保で初のCATVが設立されてから50年以上の地元との歴史があること、現在は全国で537あるCATV事業者に約2万人のスタッフがいて、地域での人的ネットワークを構築していることなどを挙げた。そして、「これらの強みを今後どう活かしていくかがポイント」と語った。

続いて小野寺社長はKDDIから見たCATVの課題として、(1)規模と連携の必要性、(2)CS/サービス不統一の改善、(3)サービス提供エリアの問題を挙げた。(1)はについては、全国537局のうち、多チャンネル5万加入未満の局が90%あり、「それぞれが単独でNTTと競争している状況」と語った。(2)では、「同じ番組が見られない」「メールアドレスを変更する必要がある」「160Mbpsサービスを利用していたのに40Mbpsしか利用できない」等、転居者が従来のCATVサービスを継続利用できない点と、転居手続きがユーザー任せになっている点を指摘した。(3)はプライマリー電話、100Mbps以上の高速インターネット、VODといったサービスの提供率のことだ。どれも40~60%の事業者に留まっており、転居者が同じサービスを継続利用し難い実態を数字で示した。

こうしたことを踏まえ、「NTTに対抗するため、CATV業界の結束と戦略的パートナー連携が必要ではないか」と語った。結束に関しては、日本ケーブルテレビ連盟に委ねたが、戦略的パートナーシップについては、「KDDIをその相手として選んでいただければ、まだまだ皆さんと一緒にやれることがあるのではないか」とアピールした。

さらに小野寺社長は、「オールCATVとKDDIが連携すれば、NTTに対抗してアクセス回線市場で設備競争を展開することが可能になる。それでNTTと健全な設備競争をすることではじめて、光の道の健全な推進に繋がるのではないか」と語った。

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