「医療の現場では新型コロナウイルスの影響もあり、患者と直接接触せずに診察する遠隔診察のニーズが増えている。また手術の様子を、別室や遠隔地にいる学会の方などがリアルタイムでモニタリングするケースも出てきた」とハイテクインター 営業部 部長の森池信也氏は説明する。こうした用途では、高画質な映像を最小限の遅延で伝送できることが求められる。
これを実現するのが、ハイテクインターが提供するエンコーダ/デコーダ「TCS-8500」だ。

「Web会議サービスでいいじゃないかと言われることがあるが、外部のクラウドサーバーを経由するので、特にセンシティブな個人情報である医療系のデータを送るには適切ではない。これを使えばプライベートネットワークに閉じて伝送できるので秘匿性が高い」
TCS-8500を使うべき理由は、セキュリティの面だけではない。前述の通り、医療の現場では“高画質な映像”を“低遅延”で送ることが求められる。TCS-8500は4Kに対応しており、遅延時間は解像度などの設定によって異なるが、最大でも約154ms以下(4K/30FPS/H.265/16Mbpsの場合)。フルHDなら約70ms以下まで短縮できる(FullHD/60FPS/H.265/8Mbpsの場合)。
次世代映像伝送プロトコルであるSRT(Secure Reliable Transport)にも対応しているため、モバイル回線を利用していたり、ネットワーク帯域が狭いために通信が不安定な状態でも映像が乱れることなく送受信できる。もともとは、NHKやキー局などでの導入実績が多く、放送のプロからも認められている製品だ。
図表 遠隔診療の構成イメージ

図表 手術映像伝送の構成イメージ。最大4ストリームまで伝送可能(音声は1対1)

音声の双方向伝送もできる! デモ機貸し出しやサポートも映像だけでなく音声の双方向伝送もできるので、遠隔診察の環境を構築する際に、これだけあれば別途会話用のシステムを用意する必要がない。実際にあるクリニックでは、「ビルの3~5階部分を借りていて、患者は3階、医師は5階にいてそこから診察するシステムをTCS-8500だけで実現している」という。個人クリニックだけでなく、全国規模の医療機関にも導入されている。
「音声は1対1、映像は最大4ストリームまで伝送できる。また、ONVIF(他社製品との互換性を持たせる規格)に対応しているので、他社製のカメラやレコーダーと組み合わせることも可能。USBポートにハードディスクやメモリなどを挿せば録画もできる」(同社 北海道テストセンター 主任 田中宏樹氏)

ハイテクインター 営業部 部長 森池信也氏(左)、ハイテクインター 北海道テストセンター 主任 田中宏樹氏
さらにサイズは手のひらに載るほどコンパクトで、消費電力も低い(最大6.5W)。
価格は1台50万円以下と、他社と比べて非常に安価だ。「他社にも4K対応のエンコーダ/デコーダはあるが、SRTに非対応だったり、遅延がかなり大きかったりする。これらをクリアしていたとしても大変高価。その点、TCS-8500はこれだけの機能を備えていながら非常に手頃な値段になっている」
ハイテクインターではデモ機の貸し出しも行っており、「スペックの調整や設定に際して不明な点があればサポートする」という。まずは問い合わせて、試しに利用してみてはいかがだろうか。
<お問い合わせ先>
ハイテクインター株式会社
TEL:03-5334-5260
E-Mail:info@hytec.co.jp
URL:https://hytec.co.jp/products/video1/tcs-8500.html
